紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは自分の心に生きる勇気と希望をきっと見出すことでしょう。
フジ子・ヘミングの言葉
人生は諦めたら終わり。私は苦しみながらも希望を捨てませんでした。
人生をクヨクヨして渡らないことです。
いつも希望をもって、自分がいつも誰かに必要とされているということを忘れないでください。
フジ子・ヘミング 1932~ ピアニスト
30歳でドイツ留学を果たし、夢にまで見たヨーロッパでのデビュー直前に大きな不幸がフジ子さんを襲います。
リサイタル直前に、風邪が原因で両耳が全く聞こえなくなったのです。
その後の演奏会はすべてキャンセルをしなくてはならず、彼女は次第に音楽界から忘れ去られていきます。
そして、食べるのにも困るどん底の日々が、続くのです。
「もう人前では弾くことはない」と考えた彼女ですが、多くのファンに支えられ、1998年、30年ぶりのリサイタルを日本でおこないました。
翌年には、フジ子さんのピアニストとしての軌跡を描いたNHKのドキュメント番組が放映され、日本中に大反響を巻き起こしました。
フジ子さんのピアノ演奏からは、「魂の言葉が聞こえる」と言われます。
彼女のつむぎだす音は、人生のドン底にあっても希望をもちながら耐えてきた者が生み出す魂の響きなのです。
【出典】フジ子・ヘミング著『フジ子・ヘミングの「魂の言葉」』(清流出版)
アグネス・チャンの言葉
ちょっとした努力で喜んでくれる人がいる。
自分がどう思われているかなんて、
どうでもよくなりました。
アグネス・チャン 1955~
歌手・教育学博士・初代日本ユニセフ協会大使
アグネス・チャンさんは、香港で6人兄弟の三女として生まれました。
子どもの頃は、自分のことが大嫌いだったそうです。
というのは、幼い頃から優秀な姉たちといつも比較されたからです。
後に女優となった長女は、誰もが認める美少女。医者になった次女は、学校でいつも成績が一番。平凡な子どもだった三女のアグネスさんは、いつも劣等感をもち、勉強も何もやる気がなかったそうです。
「自分が世の中で一番不幸だ」と思い込んでいました。
彼女が変わったのは、中学に入学して始めたボランティア活動でした。
両親のいない子。足がなくて地面を這う子。生ゴミをあさる子……。
そんな子たちの世話をするうちに、自分も人の役に立てることが分かります。
歌手デビューは、そのボランティア活動でおこなっていたコンサートでスカウトされたがきっかけでした。
香港で人気がでると、日本で17歳の時、「ひなげしの花」で鮮烈なデビュー。
それから40年たっても、彼女の原点であるボランティア活動はいまも続けています。
【出典】産経新聞文化部編『わたしの失敗』(産経新聞社)
ゲーテの言葉
泣きながらパンを食べたことのない者、
夜な夜な涙で枕をぬらしたことのない者には、
人生の本当の味はわからない。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
1749~1832
ドイツの詩人、劇作家、小説家、哲学者
泣くことは、人間にとって自然なこと、
成長していく上で大切な行いです。
感動のまま涙を流すとき、
自分の心が洗い清められるような気がしませんか。
それは美しく尊い涙です。
感情を押し殺すのではなく、あふれるがままにするなら、
前より元気にやさしくなっている自分に気づきます。
泣くことは、生きること、
成長していくこと。
泣くことで、人間らしく生き、
愛する人たちともつながっていけます。
人は泣きながら生まれてきます。
そして、泣くたびに新しい自分に生まれ変わるのかもしれません。
【出典】ゲーテ著『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』