いい話

『アンパンマン』に学ぶ行動する勇気と愛(やなせたかし)

泣く子も笑う『アンパンマン』、子どもたちに大人気です。

実は、最初、大人には不評だったって、ご存じですか。

当時、ヒーローと言えば、ウルトラマンや仮面ライダー・・・

かっこいいですねー。

男の子なら誰だって、ウルトラマンごっこや仮面ライダーごっごをしたことがあると思います。

いまでも人気がありますね。

そんな中で、アンパンの顔をした変なヒーローを、やなせさんはどうして世に送り出したのでしょうか。

作者の戦争体験から生まれた『アンパンマン』

『アンパンマン』が誕生するにあたっては、作者やなせたかしさんの強烈で特別な思いがありました。

やなせたかしさんの絵本『あんぱんまん』(はじめはひらがな)が出たとき、大人からの評判は散々でした。 

砂漠で飢え死にしそうな旅人のところへあんぱんの顔をしたヒーローが飛んできて、自分の顔を食べさせるというストーリー。

これまでのヒーローのように勇ましく戦うわけではなく、かっこよくも強くもありません。

まわりの人からは「くだらない」と言われ、批評家からは図書館には置くべきでないと酷評されたそうです。

やなせさんが、この作品を描きたかった背景には、戦争体験があります。

やなせさんは、飢えた人は救うべき、いつの世にもひもじい人を助けるヒーローが必要だと考えていました。

自分の顔をあげてでも、人を生かす自己犠牲の精神を描きたかったのです。 

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史上最弱のヒーロー

大人には不評だったこの作品は、意外にも、子どもたちには大人気となりました。

子どもたちは、物事の本質を直観的にわかるのでしょう。

幼稚園や保育園で、何度も読んでせがまれる絵本になったのです。

テレビアニメになり、映画になりさらに大ヒット。

その人気は40年以上たっても衰えることがありません。

アンパンマンは、弱い。

雨にぬれると弱る。

泥がついても弱る。

顔が曲がっても弱る。

史上最弱のヒーローです。(笑)

けれども、仲間が困っているとやってきます。

武器を持たずに、バイキンマンと向き合います。

自分の素手で戦います。

困っている人には惜しげもなく自分の顔をあげます。

だから「助けて!」と叫んで、ジャムおじさんに顔をつくり直してもらわないと戦えません。

傷つきながらの正義

自ら傷つきながら、自分を与えながら、仲間を助けるアンパンマン。

無茶苦茶、かっこいいじゃん。アンパンマン。

「正義を行う人は、自分が傷つくことを覚悟しなくちゃいけない」byやなせたかし

「自分が傷つくまで愛しなさい」by マザー・テレサ 

アンパンマンは、マザー・テレサのように貧しい人や飢え死にしそうな人をほっておけないんです。

正義を超えた愛のヒーローだと私は思います。

私たちも何か正しいことやろうと思うと、傷つくことがあります。 

「そんなかっこつけるな」とか、「お前なんかがそんなことできるか」とか批判されるんこともあるんです。

でも、傷つくことを恐れていては、何もできないのです。

アンパンマンは、私たちに行動する勇気を与えてくれます。

【出典】やなせたかし著『何のために生まれてきたの?』