紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは自分の心に優しい気持ちを見出すことでしょう。
エーリッヒ・フロムの言葉
たくさん持っている人が豊かなのではない。
たくさん与えた人が豊かなのである。
エーリッヒ・フロム 1900~1980
ドイツ人の心理学、精神分析、哲学者
お金や物をたくさん持っていたとしても、幸せでない人がいます。
もっとほしい、もっとたくさんあれば幸せになれると思うのですが、どれほど手に入っても、その人は満足しません。
逆に、持っているものがなくなりはしないかと、心配で悩むのです。
そういう人は、豊かな心を持っているとは言えません。
お金や物をわずかしか持っていなくても、幸せな人がいます。
そのわずかなものに感謝して、大切にします。
人のために使い、人に与えることもできます。
そして、人から喜ばれ、それが自分の喜びにもなります。
そういう人は、豊かな心を持っているのです。
本当の豊かさは、どれだけ持っているかよりも、どれだけ与えられるかで計られるものなのです。
【出典】エーリッヒ・フロム著『愛するということ』(紀伊國屋書店)
浜田廣介の言葉
なにか、一つの、
めぼしいことをやりとげるには、
きっと、どこかでいたいおもいか、
そんをしなくちゃならないさ。
だれかが、ぎせいに、身がわりに、
なるのでなくちゃ、できないさ。
浜田廣介 1893~1973
童話作家 代表作品『泣いた赤鬼』
人間と仲良くしたいという赤鬼のために、友だちの青鬼は、二人で芝居をしようと提案をします。
まず、村で、青鬼が暴れる。そこへ赤鬼がやってきて、青鬼を追い払う。
すると、人間は赤鬼を信用するようになる、という筋書きの芝居です。
冒頭の言葉は、しぶる赤鬼を説得する青鬼のセリフです。
山奥に一人で住む青鬼には、恐らく赤鬼しか友だちがいませんでした。
唯一の親友の赤鬼が願っていたことは、人間と親しくなりたいということ。
青鬼は、そんな赤鬼の願いを自分が犠牲になってかなえてあげます。
これは物語なのですが、現実にもこんな友情はありえます。
自分のほしかったものをちょっと我慢して、友だちに譲ってあげる。
自分のやりたかったことを我慢して友だちのやりたいことをしてあげる。
本当の親友なら、互いにそうして友情を育んでいくものですからね。
そんな友だちはいない?そんな友だちがほしいって?
では、まず自分がそんな友だちになるといいですよ。
【出典】浜田 廣介著『泣いた赤鬼』
鍵山秀三郎の言葉
ひとつ拾えば
ひとつだけきれいになる。
鍵山秀三郎 1933~
日本を美しくする会の相談役
社長(イエローハットの創業者)だった鍵山さんは、荒んでいた社員の心を穏やかにするために自分にできることを考え、一人で社内の掃除を始めることにしました。
最初の10年は、「掃除なんかしてもムダ」と言われながらも、ほとんど一人だけでやりました。
10年を過ぎるころから、一人二人と手伝ってくれる社員がでてきました。
20年たったころから、会社以外の多くの人にも評価されるようになりました。
社内の雰囲気もよくなり、会社の業績もどんどん上がっていきました。
30年を過ぎるころから、鍵山さんにならって、日本全国に「掃除に学ぶ会」ができてきました。
掃除は誰でもできる、みんなに喜ばれることです。
まずはゴミをひとつ拾うことから始めましょう。
ひとつ拾うと、その分きれいになります。
その繰り返しで、その場所も人の心もきれいになっていきます。
【出典】鍵山秀三郎著『凡事徹底』(致知出版社)
川端康成の言葉
一生の間に一人の人間でも
幸福にすることが出来れば
自分の幸福なのだ。
川端康成 1899~1972
作家(日本人初のノーベル文学賞受賞)
代表作『雪国』
私たちは神様から命をもらっています。
その命の使い方を使命といいます。
人間の使命は、幸せな人生を生きることだと私は考えています。
ただ、人間は自分一人では幸せになれません。
人と共に生きることで幸せになれます。
人を幸せにすることで幸せになれます。
だから人間の使命は、人を幸せにすることでもあるのです。
今日、一人の人を笑顔にできたら……。
今日、一人の人を幸せにできたら……。
今日、あなたは生まれてきた使命を十分に生きているのです。
【出典】川端康成著『一人の幸福』