2008年から10年間、旧ブログ「子どもの本・絵本を読もう!」に、ほぼ毎週、おすすめの絵本や本をご紹介していました。(430冊くらい)
私が読んで良かった本、子どもだけでなく、大人にも読んでほしい本ばかりです。
本ブログに、それらの本の記事を引っ越しさせ、ピックアップして少しずつご紹介していきます。
『いつでも会える』菊田まりこ
「きのう『いつでも会える』という本を読みました。
‥‥‥ぼくはかんどうして、なみだがながれました」
以前、小学二年生のY君が日記にそう書いてきました。
どんな本だろうと思い、Y君に頼んで次に日に持ってきてもらうと
菊田まりこという人が書いた小さな絵本でした。
それはこんなストーリです。
主人公は、犬のシロ。飼い主のミキちゃんに愛されて、
シロはいつも楽しく幸せでした。シロは、ミキちゃんが大好きでした。
ある日、その優しいミキちゃんの姿が、消えたのです。
どうしてだろう。どこにいるのだろう。
ミキちゃんに会いたい。
シロは悲しみをこらえて捜し回ります。
しかし、ミキちゃんは、どこにも、どこにも、どこにも、見つかりません。
失意のシロは、ぐったりして目を閉じます。
すると不思議なことに、ミキちゃんのなつかしい声が聞こえてきたのです。
「シロ、シロ、もう、いっしょに、あそべなくなったね。
いっしょにごはんもたべられなくなったし、
あたまもなでてあげられない。
でもね、そばにいるよ。
いつでも、会える。
今もこれからもずっと、かわらない」
この『いつでも会える』は、
1999年度のボロ-ニャ児童賞・特別賞を受賞している作品。
子供たちに、死という非常にデリケ-トな問題を教えるためにも
すぐれた絵本です。
『スイミー』レオ・レオ二作 谷川俊太郎訳
広い海のどこかに、
小さな魚の兄弟たちが楽しく暮らしていました。
みんな赤いのに、スイミーだけは真っ黒。
でも、スイミーはみんなと同じでなくても、
自分で生きる道を自分で見つけていきます。
そして、みんなと違うことで、
みんなを助けることができるようになるのです。
『100万回生きたねこ』佐野洋子
100万回も死んで、100万回も生きたねこがいました。
100万人の人がそのねこをかわいがり、
100万人の人がそのねこが死んだとき、泣きました。
でも、そのねこは一度も泣くことはありませんでした。
あるとき、そのねこは、一匹の白く美しいねこを愛しします。
そして、子どもができ、自分よりも大切な家族ができました。
初めて愛することを知ったそのねこは、その後・・・
愛をもって生きることは、うれしくて、切なくて、尊くて・・・
子どもにも大人にも、いろいろな思いを引き起こしてくれる名作です。
詳細を見る『ないた赤おに』浜田広介
人間と仲良くしたい赤鬼のために、友だちの青鬼は、
二人で芝居をしようと提案をします。
まず、村で、青鬼が暴れる。
そこへ赤鬼がやってきて、青鬼を追い払う。
すると、人間は赤鬼を信用するようになる、
という筋書きの芝居です。
「なにか、一つの、
めぼしいことをやりとげるには、
きっと、どこかでいたいおもいか、
そんをしなくちゃならないさ。
だれかが、ぎせいに、身がわりに、
なるのでなくちゃ、できないさ」
芝居は成功し、赤鬼は村人と仲良くなれます。
しかし、青鬼は一枚の置手紙を残して
一人旅に出てしまうのです。
「いつまでも君の友だち 青鬼」と・・・
『ずーっと ずっと だいすきだよ』ハンス・ウィルヘルム
この絵本の主人公のぼくと犬のエルフは子ども頃から仲良しでした。
毎日いっしょに遊んで、いっしょに大きくなりました。
けれども、エルフはいつしか年をとって、動けなくなります。
それでも、ぼくは、寝る前に必ず、
「エルフ、ずうっと、ずっと、大すきだよ」
って、言ってやるのです。
エルフがある日突然死んでしまうまで・・・。
「ずーっと ずっと だいすきだよ」
この言葉を親から毎晩のように言ってもらえたら、
子どもはどんなに嬉しいでしょう。
みじめなとき、苦しいとき言ってもらえたら、
どんなに慰められ勇気づけられるでしょう。
『かさこじぞう』岩崎京子
正月のもちを買うために、降りつもる雪の中、
町まで笠を売りに行った貧しいじいさま。
でも、一つも笠は売れませんでした。
がっかりしながら歩くじいさまの目の前に
現れたのは6体の寒そうなお地蔵様でした。
心の優しいじいさまは、
雪をはらってお地蔵様に笠をかぶせてやります。
一方、ばあさまは、
空手で帰ってきたじいさまに対して怒ったり、
非難したりしません。
いやな顔ひとつしないで
「ええことしなすった」
「さぞ冷たかろうもん、
さあ、いろりに当たってくだされ」
とあたたかい言葉で迎え入れます。
その夜のこと、おじいさんの家へお地蔵様が
お礼をしにやってきました。
善良で無欲な二人は
地蔵へのやさしい行為が思いがけず報われます。
寒い冬に、心が温まる昔話の絵本です。
詳細を見る『てぶくろをかいに』新美南吉
冷たい雪で牡丹色になった子狐の手を見て、
母狐は毛糸の手袋を買ってやろうと思います。
その夜、母狐は子狐の片手を人の手にかえ、
銅貨をにぎらせ、
かならず人間の手のほうをさしだすんだよと、
よくよく言いふくめて町へ送り出しました。
しかし、ぼうし屋さんを前にすると、
子狐は、間違えて、狐の手の方を差し出すのです。
それでも、ぼうし屋さんは狐と知りながら手袋を渡してくれます。
「人間はこわくない」と自信をつけて帰ってきた子狐。
「本当にそうかしら?」と首をかしげる母狐。
子どもの自立と成長に伴う
親の試練と当惑を考えさせられます。
子狐が人間の優しさにふれることができたのはなぜでしょう。
それは、母狐が片方の手しか変えてやらなかったら、
子狐が思わず間違えてしまったから・・・
たぶん、私たちは完璧過ぎない方が、
優しさや思いやりにふれる機会は多いのです。
『いないいないばあ』松谷 みよ子作 瀬川 康男絵
実は、この絵本は日本で一番売れている超ロングセラーです。
動物たちが「いないいないばあ」をする絵本。
赤ちゃんに超大人気です。
まずは、ねこができてて、
「いないいない・・・・・・」
ページをめくると、
「ばあ」
それだけで、赤ちゃんは喜ぶ。
不思議な不思議な絵本です。
赤ちゃんが喜ぶと、お母さんもお父さんも・・・喜ぶ。
家族が幸せになれる絵本です。
詳細を見る『はらぺこあおむし』エリック=カール
とても色彩の豊かな楽しい絵本です。
子どもは甘いお菓子や果物が大好き。
きっと自分も、はらぺこあおむしのように、
果物やお菓子を食べたように感じるのでしょう。
楽しみながら、
数を数えたり、曜日を覚えたり、
食べ物の名前を覚えたりできます。
そして、あおむしの一生を通して
生命の神秘と美しさを感じることもできます。
『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン
少年のいつも近くにあった大きな木。
少年は木登りやかくれんぼで遊び、
木の実を食べ、木のことが大好きでした。
木も少年が大好きでした。
しかし、少年が成長すると、
もっと大事な人や物ができます。
迷ったときや困ったとき、
都合のよいときにだけ
木を頼ってやってくる身勝手な少年。
それなのに木は、
たわわに実った実を持っていけ、
枝を刈って家を作ればいい、
太い幹を切り倒して舟を作ればいい
と無償の愛を与え続けます。
「そして、木はしあわせだった」
この木の姿から私たちは何か大切なことを学べるでしょう。
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