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新聞コラム16『道』(最後の記事)

長崎市で教師だった頃、地元の長崎新聞のコラム「うず潮」に月に1度、3年間ほどエッセーを連載させていただいていました。

この得難い仕事を通して、私は文章を書くことにだんだん魅せられていきます。

当時は思いもよらなかったのですが、このエッセー連載を機に、教師をやめて、文章を書く仕事をすることになります。

その後、幸運にも本を何十冊も出版していただけるようになったのですが、ご紹介する新聞記事は、その原石となったのです。

写真は、聖ホセマリア・エスクリバーとその言葉。

「失敗したと言うのか。あなたが失敗するはずのないことは、確信しているはずだ。失敗したのではない。経験を積んだのである。前進しなさい。」(『道』405番)

『道』

 「生まれてきてよかったと思い続けたいし、思ってももらいたい」そう願って書き始めたこの連載も、今回で終わりになります。

 これまでの三十数回に渡る記事の根底には、常に一冊の本から得たものがありました。その本は、ホセマリア・エスクリバー著『道』。世界で四十カ国語に訳され,四百五十万冊発行されていますが、日本では、あまり知られていない隠れた名著です。

  約二十年前に出会って以来、『道』は、私に生きる方向を示し照らしてきました。年間百冊の本を読む今も、『道』は他のどの本よりも私に影響を与え続けています。

 自分が幸せになること、まわりの人々が幸せになることは、私にとって大切な関心事です。そのヒントを、私はこの本から得てきました。

 その一語、一文を自分の生活に活かしたい、多くの方々にも分かりやすく伝えたいと、二十年間願ってきました。そういう気持ちが「うず潮」の文章を書くときにも、自然と出てきたのです。

 ところで、この『道』を三月十三日付長崎新聞の「この一冊」欄で、紹介いたしました。思いがけず、連日、方々から問い合わせの電話やメールなどが届き嬉しくなりましたが、同時に申し訳なくも思いました。

 というのは、この本は日本の一般書店にはまず置いていないため、本屋さんで探された方には、恐らくご迷惑をお掛けしただろうと気づいたからです。
 すみませんでした。

 そこで、今更ながら恐縮ですが、改めて入手先をご紹介しておきます。長崎市内なら、駅前にある中町カトリック教会横の書店、あるいは本校でも入手できます。(2021年現在、在庫切れとなっています)遠方の方は、出版社に直接お問い合わせください。電話番号は、・・・です。(出版社は2021年現在、活動休止中となっています)

 今、私は来年一月の発刊を目指して、『道』の著者ホセマリア・エスクリバー神父の小伝を書いています。

 また、『道』をヒントにして「喜びの色彩」という小冊子も執筆中です。今後もやはり、「うず潮」と同じ願いを持ち、どこかに何かを書いていくつもりです。

 皆様、これまで本欄を楽しみに読んでくださったり、お手紙やお電話で応援してくださったり、本当に、本当に有難うございました。
 笑顔に感謝を込めて…。

    2001年5月8日(精道三川台小中学校教諭)

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追記

聖ホセマリアエスクリバー著『道』は、2021年現在電子書籍版でしか販売されていません。ご希望の方は、AmazonKindleでお求めください。

聖ホセマリア・エスクリバー著『道』 

また、「喜びの色彩」という小冊子も執筆したのですが、出版社が活動を停止し出版できませんでした。そのため、他の雑誌記事やブログで、このときの原稿を発表していてきました。