『Marisol(マリソル)』という女性誌にのった取材記事の一部です。
さまざまなシーンで思わず「イラッ」とすることの多い世の中ですが、「イラッ」とする感情にどう対処していけばよいか、という取材でした。
人間誰しも「イラッ」とすることはありますね。自分の思うようにならなかったとき、人から危害を受けていると思うときなど「イラッ」します。
それは、人間ですから、当然ですね。
でも、「イラッ」が長引いて「イライラ」になってストレスがたまったり、怒りとなって爆発したりすると、自分の心身の健康、人間関係、仕事にも悪影響があります。
なので、「イラッ」のときに、早めに対処したほうがいいですよね。
では、個々のケースを見る前に、その際の原則としたいことを3つあげてみます。
原則1 相手をすぐに変えようとしない
人はなかなか簡単には変わりません。
自分をイラッさせる相手を変えようとすると、すごいエネルギーと時間が必要です。
あなたが正しいことを言っても、相手も感情的になり、多くの場合、期待通り受けとめてもらえないどころか、反感を買うこともあります。
変わらない相手に、ますますイライラが募るでしょう。
それよりも自分の気持ちをコントロールするほうが簡単ですし、これから先も応用がききます。
原則2 相手や相手の状況を理解するように努める
「イラッ」が起こった時は、自分の人間性を成長させるチャンスです。
相手への理解を深めるチャンスです。理解は、思いやりや愛から生まれます。
どうして、そんなことをしてしまうのか。
どうして、いつもこうなのか。
相手の立場を考えたり、相手の事情を考えたりすれば、相手のことがもっと理解できます。
そうか、この人はこんな悩みをかかえていたから、こうなのか、とか。
この人も自分の欠点を直そうと思っているけれど、なかなかうまくいかないんだ、などと前より相手のことが理解できると、自分の「イラッ」もだんだんおさまってきます。
(相手が変わるための対策が見えてくる場合もあります)
原則3 謙虚に自分自身を省みるように努める
自分にも同じようなことはないか、または別のことでも人をイラッとさせるようなことをしてきたのではないかと考えるよい機会です。
たいてい誰にでもあります。ただ、気づいていなかったり、忘れたりしてしまうのです。
自分が子どもだったとき、仕事に不慣れだったとき、ものすごく忙しかったとき、疲れたりしていたとき、心配事で頭がいっぱいだったりしたとき・・・など、まわりの人をイラッつかせるようなことがあったはずです。
また、自分で欠点に気づきながら、自分をなかなか改めることができない、そういうこともあるのではないでしょうか。
「自分もそういえば・・・そんなことがあったなあ」と気づく。
さらに、欠点や失敗を繰り返してきた自分もこれまで許されてきたんだと気づくと、人にも少しやさしい気持ちになるものです。
まわりの人への感謝の気持も生まれるでしょう。
であれば、イライラは消えていきます。
こんなふうに、日頃から、できるだけ謙虚かつ感謝の気持ちで生活するように心がければ、イライラに悩まされることは少なくなると思います。
「Marisol(マリソル)」(集英社)2014年12月号の原稿を加筆・修正