『Marisol(マリソル)』という女性誌にのった取材記事の一部です。
さまざまなシーンで思わず「イラッ」とすることの多い世の中ですが、「イラッ」とする感情にどう対処していけばよいか、という取材でした。
具体例を12場面あげて、それぞれのケースでどう対応すればよいか、考えていきましょう。
次にあげるのは、必ずしも正解ではありませんが、ご自分のケースに応じて、参考にしてくだされば幸いです。
1 会社の後輩や同僚にイラッ
やる気がなく、挨拶もしない、言葉遣いが悪い、仕事も遅い、デスク周りも汚い後輩や同僚の存在にイラッとするとき。
長年の習慣でしょうから、注意だけでは、ふつう人は変わりません。
まず良いところを見つけて、ほめる。その後、直してほしいところを1つだけ言います。
もし直ったら、肯定的に評価したり、感謝したりすることも大切ですね。
大人もこの点、子どもと同じです。
2 朝令暮改の上司にイラッ
上司の指示通りに業務を進めていたのに「そんな指示はしていない」と言われ、真逆の指示をされたりするとイラッとするとき。
組織で働いていれば、そういうことはありますね。
もし頻繁にあるなら、仕事に支障をきたすという理由で、その上の上司に相談してはいかがでしょうか。
3上司のクセにイラッ
上司が貧乏ゆすりをしたり、指や足でカタカタ音を立て続けるのが続き、イラッとするとき。
「無くて七癖」誰にでも癖はあります。多くの場合、本人は気にしていないか気づいていないものです。
直してほしい癖なら、面と向かって言ってはどうでしょうか。
ただし、長年の癖ですから、すぐに直ると期待しないほうがよいと思いますよ。
「仕方ないなあ、誰にでもクセがあるからな」と考えて気にしないのが、一番のよいかと思います。
4 態度の悪い店員にイラッ
ショップで商品の不備に文句を言ったらむすっとした態度を取られたり、接客の態度が上から目線だったりするとイラッとするときには・・・。
次も改まらないなら、そんな店やめて、別の店で買ってはどうでしょう。
5 コールセンターの人にイラッ
何度電話をしてもつながらず、やっとつながっても、不慣れな人で要領を得ない時や、何度も同じ説明をさせられる時、クレームの電話をしているのに応対が悪い人にイラッとするとき。
電話で応対する人の研修・経験不足でしょう。新人かもしれません。
「まあ、仕方がないか」と思ったほうがいいのでは・・・。
どうしても、ガマンできないなら、別の人に代わってもらうのも一手です。
6 パートナーの偉そうな態度にイラッ
夫が何を言ってもいちいち反論してくる、あげ足をとる、何でも人のせいにする、文句を言うと「偉そうなことを言うな」ということにイラッとします!
パートナーとは、たぶん毎日、これからもずっと共に生活するので、できるだけ仲良く過ごしていただければと願っています。
人間関係には「鏡の法則」があります。
相手を否定的に思っていると、相手から否定されます。
相手を肯定的に思っていると、相手からも肯定されるようになります。
相手の良いところもあるはずですので、あえて良いところを見つけるようにしたほうが人間関係は良くなるのものですよ。
7 非協力的な家族にイラッ
子どもも夫も自分たちは片付けもせずテレビを観ていて、自己中心的な発言や行動ばかりして、私にあれこれ注文を付けてくることにイラッとするとき。
案外、子どももご主人もお母さんの気持ちやストレスに気づいていないかもしれません。
お母さんの気持ちを率直に伝えて、片付けなど手伝ってほしいことをどうすればいいか、家族で話しあってみては・・・。
8 いうことを聞かない子供にイラッ
下の子の授乳をしながらやっと夕飯を食べようとしたら、上の子が自分も食べさせてくれないと食べられないと駄々をこね、自分も空腹だったのでイラッとしたとき。
子どもは、よく駄々をこねるものです。
そういうときはお母さんの愛情がほしいのだと思います。
ときどき抱きしめてあげてください。
愛情を受けて心が満たされると、駄々をこねることは減ります。
9 自分勝手な両親や舅・姑にイラッ
旅行中、方向音痴なのに勝手に歩き回る母、夫婦の会話に割り込んできて自分の理論を押し付けようとする同居の舅にイラッとします!
お疲れ様です。
特に、年を取ると、だんだん認知症気味になったり、自分の意見を押し付けようとする人もいます。共に生活していれば、気苦労もあるかと思います。
互いに折り合って、仲良く生活していくことかと思います。
10 マナーの悪い若者にイラッ
街を歩いていて、傘を人に当たりそうな持ち方をする人、タバコのポイ捨てをする人、道でぶつかっても謝らない人にイラッとするとき。
通りすがりの人にいちいちイラッとしていたら、ストレスがたまりまくって大変でしょう。
世の中、皆、物分りの良い、立派な人ばかりではないので、くれぐれもトラブルにならないようにしてくださいね。
11 遠慮のない老人にイラッ
映画館で高齢者の団体がずっとおしゃべりをしていたり、行列しているレジで小銭を一枚一枚のんびり出すお年寄りにイラッとするとき。
お年寄りなると、まわりの状況が見えなくなったり、声や音が聞こえにくくなったり、動作が鈍くなったりしがちです。
認知症で、ご自分にもどうしようもない方もいらっしゃいます。
私もいずれそうなるかもしれないし、自分も気づかずに人に迷惑をかけているかもしれないと考えると、少し優しい気持ちになれるかもしれません。
12 思いやりのない友人にイラッ
美味しいものの話をしているときに「それ、おいしくなさそう」と言われたり、約束をドタキャン、平気で遅刻する友人にイラッとします!
その人は、どんな言動に思いやりがないか、教えてくれています。
その人のおかげで、あなたがいっそう思いやりをもって、友人たちに接することができますね。
そう気づいていれば、あなたは、きっと思いやりのある人になれると思います。
「Marisol(マリソル)」(集英社)2014年12月号の原稿を加筆・修正しています。