いい習慣

時間の活用~「英雄的瞬間」を生きる  

「英雄的瞬間」という、一般には耳なれない言葉から説明しましょう。

私が勤務した小中高校(私立一貫校)では、毎年必ず、子供たちに「英雄的瞬間」ということを教えています。

一年間に数回、特に長期休暇である夏休み・冬休み・春休みの前には必ず、休暇中の「モット-(努力目標)」として指導します。

それを毎年やってるわけですから、十二年間学校に通う多くの子供たちは、「耳なれない」どころか、タコができるぐらい聞かされているわけです。

こんなにもこの「英雄的瞬間」の指導を続けているのは、これが青少年の育成のみならず、彼らが大人になっても非常に大事な考えだと確信しているからです。

そして、「英雄的瞬間」は、一回聞いて理解しただけでは何の役にも立たたず、実行に移し自分のものとして習慣づけるために、繰り返し思い出すことが必要だからです。

目次

「英雄的瞬間」とは

「英雄的瞬間」とは何でしょうか。

それは何かよいことを果たすために自己の弱さと英雄的に戦う短い時間のことです。

この時間は短ければ短いほど良いとされます。

できれば一瞬。

この瞬間に素早く英雄的に戦い、勝ちを収めれば、意志はますます強く堅固になり、多少の困難にもめげず、自分の目標を達成できる人になります。

ところで、この瞬間は一日の中にどれぐらいあるのでしょうか。     

いくらでもあります。物事を始める時、終える時には、いつもあるのです。

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「朝の英雄的瞬間」「夜の英雄的瞬間」

まずは、「朝の英雄的瞬間」。 

「毎朝、最初の瞬間から自己に打ちかちなさい。決めた時刻に起床し、一瞬たりとも怠惰に負けてはならない。神の御助けによって一日のはじめから自己との戦いに勝つことができれば、その日の戦いは非常に有利に展開するだろう」(ホセマリア・エスクリバー箸『道』191)

ぐずぐずしないで、パッと寝床から跳ね起きることによって、この戦いに勝つことができます。しかし、これはなかなか難しいことです。

やってみてください。目がさめてから数秒以内にふとんから抜け出るのを目標とします。それを、ふとんの暖かさが恋しい真冬でも、肉体が疲労困ぱいする日でも続けるのです。

意志は、日ごとに強く堅固になっていきます。

朝の英雄的瞬間に負けるとすれば、原因の多くは「夜の英雄的瞬間」を戦っていないことにあります。

「夜の英雄的瞬間」とは、逆に「決めた時間に就寝すること」です。これを守らずに、夜ダラダラと起きていれば、体に必要な睡眠時間を確保することもできず、睡眠不足になってしまいます。

朝、起きるのがきつい、どうも体調がすぐれないという状態に陥ることもあります。また、良くないと思いながらダラダラと無為に時間を過ごしてしまう弱い意志では、朝の戦いに勝てる見込みはまずないと言えましょう。

ですから夜、決めた時刻に就寝することは意外と大切なことなのです。

「なすべき時に、なすべきことをなす」

その他、勉強や仕事を始める時、終える時の英雄的瞬間。テレビや好きな娯楽を止める時の英雄的瞬間などたくさんあります。

つまり「英雄的瞬間を生きる」とは、「なすべき時に、なすべきことをなす」という生き方のことです。

その「なすべき」ことが神様のお望みになることであれば最高です。

「偉大な聖性とは、その時々の小さな義務を遂行することにある」(『道』817) 

聖人と呼ばれた人たちは誰しも、その時々の小さな義務を果たそうと、英雄的に戦った人々です。