教育

学校の宿題について考える(放課後等デイサービスにて)

子どもは、宿題というものをあまりやりたがらないものです。

では、(小学校の)先生は、なぜ子どもに毎日のように宿題を出すのでしょうか?

概ね、次のような理由からでしょう。

1.学力の定着のため(漢字や計算を習得するためには反復練習がどうしても必要なため)

2.家庭での学習習慣のため(学習習慣が身につくと、将来自分で勉強する子になれるので)

3.学校の方針で決まっているから。

4.保護者から出してくださいとお願いされるので。

私が勤務していた学校でも、以上の理由で宿題を出していました。

さらに

「お父さんやお母さんが、外での仕事、家の中で仕事をされるように、家で宿題をするのは、君たちの家での仕事だよ」

とも言っていました。

1番目の理由よりも強い理由として、

「将来、仕事ができる人になってほしい」

という願いがあったからです。

学習塾で出していた宿題

学習塾で2年間、小学生の姉妹に個別で、国語を教えているときも宿題を出していました。

「漢字ドリル」の他に、珍しいのは、「読書日記」でしょう。

「読書日記」とは、ノートに「読んだ本のタイトル」と「ページ数」と「時間(分)」「心に残った文章を視写する」というものでした。

どの本を読むかも、量も時間も選ぶ文章も、自由です。

ただし、これを1年365日、毎日やります。

非常にマメなお母さんが、確認して毎日ハンコを押してくださいました。

次の授業の時に、一番面白かった本について、3~5分間で私にお話しするという流れです。

普通なら、苦になる宿題をこの子たちは、「一番楽しい宿題」と言って、2年間、毎日欠かさず、丁寧にやっていました。

喜んでやっていたので、その読書量はものすごかったし、書く力も、着々と伸びていきました。(全国的な童話コンクールに応募して二人ともそろって入選したことも)

特に、小5のお姉ちゃんのほうは「将来、作家になりたい」という夢を持っている子だったので、最後の授業の時、私は正直にこう打ち明けました。

「〇〇ちゃんの夢はかならず叶う!

なぜかと言うと、〇〇ちゃんと(妹の)◇◇ちゃんも、先生が小学生の時と比べると、はるかに真面目で、頑張り屋で、先生が小学生の時と比べることもできないほど、本もいっぱい読んでいて、文章を楽しんで書けるから。才能があるから。

あのね、作家の才能ってね、文章のうまい下手というより、本を読んだり文章を書いたりすることが楽しめる能力なんだ。〇〇ちゃんは、その才能が先生よりはるかに高いから、絶対になれるよ。

これから先いろいろと難しいことがあっても、たくさん失敗しても、ぜんぜん大丈夫だよ。〇〇ちゃんの夢は、かならず必ず叶うから」

すみません。ついつい、横道にそれてしまいました。

話を「宿題」に戻します。

つまり、勉強も宿題も、本来子どもの(将来)のためになり、できれば自分で(できれば楽しくやれれば)と思うのです。

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放課後等デイサービスでの学校の宿題の扱い

放課後等デイサービスでは、普通、家庭(保護者)の代わりもしているので、学校から宿題が出たら、まず宿題をやらせる、というところが多いです。

でも、なかなかやろうとしない、という子がやはりいるわけです。

宿題の中身を見ると、この子の現実の実態に合っていないんじゃないかなという宿題もたまにあります。

私がこの子の学校の担任なら、絶対に出さないというような宿題を出している先生もいらっしゃいます。

でも、立場上、「◎◎くん、やらなくていいよ」とは言えません。

では、どうすればよいのでしょうか。

宿題について担任と話し合う

小学校教員だったのでわかるのですが、日々の宿題は、たいてい担任の先生の裁量で決めて出しています。

特に、発達障害をもつ子は、クラスの学習進度には合わせられないので、担任の先生のお考え次第で、どうにでもなるでしょう。

ですから、担任の先生と話し合って変えてもらう、というのが妥当かと思います。

もし私が小学校の同僚か上司なら担任の先生に

「先生、先生の気持ちはよくわかる。でもね、あの宿題は、あの子のためになってないと思うんだけどね。どうしてかと言うとね・・・」

と膝を突き合わせて話し合います。(成功率120%)

もし私がその子の保護者なら

「先生、いつもありがとうございます。ただ、毎日先生が一所懸命に出してくださる宿題ですが、実は・・・・。先生のお気持ちは大変有難いのですが、もう少しあの子のレベルに合わせたものにしていただけないでしょうか」

とお願いします。(成功率90%?)

〇いま私は放課後等デイサービスの職員なので、次の案をやってみるでしょう。

A案:児童発達支援管理責任者(児発管)や経営者を中心に、職員で時間を取って話し合い、保護者の了解を得て、その結果を最も相応しい人が学校まで行き、担任の先生に伝えて、対策を協議する。(成功率80%?)

B案:「無理させず、家でやってよいことにする→たぶん家でもできない→そのまま学校にもっていく→先生から叱られる→それでも改善しない」

 これを何度か繰り返せば、普通の教師なら自分の指導法に問題があることに気づくはず(成功率50%?)

私は、机に向かって、本やノートを広げるだけが勉強ではないと考えています。

勉強ができる場は、移動する車の中、自然の中、お店、公園・・・どこにでもあります。

傍にいる大人の働きかけいかんで、子どもたちは遊びながらも、楽しく勉強し、成長していきます。

でも、机に向かってやる勉強は、無論重要です。

そのための支援や指導は必要。ただ、その支援や指導は、子どものそばに寄り添って、(嫌々)やらせるだけではないと思うのです。

いま、子ども(の将来)のため、保護者や学校にも柔らかくも毅然として対応し、手を取り合って同じ方向を向ける、放課後等デイサービスが求められているようにも思います。

PS.4月からこちらの事業所に移りました。

4月1日新しい事業所へ(放課後等デイサービス)4月1日から、児童福祉の新しい事業所にパートで勤め始めました。 児童福祉の仕事には価値があり、やりがいもあり、もう少し関わっていきたい...