ペロー童話集やグリム童話に収録されている「赤ずきん」は、だれでも一度は、読んだり聞いたりした世界的に有名なお話ですね。
ストーリーは、次のようなものです。
あるところに、赤ずきんと呼ばれる女の子がいました。
彼女はお母さんからお使いを頼まれて森の向こうのおばあさんの家へと向かいますが、その途中で一匹の狼にあい、そそのかされて道草をしてしまいます。
狼は先回りをしておばあさんの家へ行き、おばあさんを食べてしまいます。
そしておばあさんの姿になりかわり、赤ずきんが来るのを待ちぶせます。
赤ずきんがおばあさんの家に到着。
おばあさんに化けていた狼に赤ずきんは食われてしまいます。
満腹になった狼が寝入っていたところを通りかかったりょうしが気付き、狼の腹の中から二人を助け出します。
赤ずきんはお母さんの言いつけを守らなかったことを反省して、いい子になる…
という、めでたし、めでたしのお話です。
そこまでは、みんなが知っていますが、この後の話は、だれも知らないでしょう。
であれば、自由に想像し、創造してみるのも物語の楽しみ方です。
実は、数年前に神戸市の幼児教室で、少しだけ教えていたことがありました。
マンツーマン指導をする教室で、最初の生徒は5歳の女の子。
小学1年生になる前(その子の誕生日前)に、担当を変わりました。
最後の授業で、その子にしてあげたお話です。(私の創作です♪)
その後、赤ずきんちゃんは…
たすかった赤ずきんちゃんは、お家に帰っておかあさんに言いました。
「ママ、きょうね、おばあちゃんの家におみまいにいったら、おばあちゃんもわたしもオオカミにたべられてしまったんだよ」
「まあ、こわい。それでどうしたの?」
「あのね、りょうしのおじさんがたすけてくれて、おばあちゃんといっしょに、わるいオオカミをやっつけたの」
「ああ、よかった。それじゃあ、りょうしのおじさんにおれいを言いに行かなくっちゃね」
「うん」
「りょうしのおじさんの名前をおぼえている?」
「うーん、たしか、〇〇先生だったかな?」
そんな名前を聞いたおぼえが、赤ずきんちゃんはあったのです。
「えっ?〇〇先生?あの△△幼児教室の○〇先生かしらね?」
おかあさんは、ふしぎそうに首をかしげています。
「まあ、いいわ、こんどいっしょに行ってみましょう」
赤ずきんちゃん、お礼に行く
それで、おかあさんと赤ずきんちゃんはおねえさんもいっしょに、○〇先生がいる△△幼児教室に行きました。
(あっ、ちがう。りょうしのおじさんじゃない)
と、赤ずきんちゃんはすぐにわかりました。
あのりょうしのおじさんは、〇〇先生ではなかったのです。
でも、〇〇先生は、あのりょうしのおじさんみたいにやさしそうなので、赤ずきんちゃんも、おねえさんも、△△幼児教室でお勉強をしたくなりました。
それから、赤ずきんちゃんもおねえさんも、毎週1回、△△幼児教室でお勉強をしはじめました。
赤ずきんちゃん、もうすぐ1年生
二人は、とてもよくがんばって、どんどんかしこくなっていきました。
おりがみもパズルも、いろいろなことがじょうずにできるようになりました。
けいさんは、むずかしいこともあるけれど、がんばっているうちに、だんだんできるようになっていきました。
もうすぐ小学1年生になる赤ずきんちゃんは、これまでよくがんばってきたので、△△幼児教室で、こわくてたのしい「バンザイジョットコースター」をしてもらいました。
もうすぐたんじょう日だったので、せかいではじめての、もっとこわくてたのしい「空中バンザイジョットコースター」も、してもらいました。
赤ずきんちゃんは、もう赤いずきんをかぶらなくなったので、だれからも「赤ずきんちゃん」と言われなくなりました。
じぶんでも、小さいころに、赤いずきんをかぶっていたことやオオカミにたべられたことがあったなんて、わすれてしまいました。
でも、たしかなことは、今年4月から小学1年生になるということです。
小学生になれば、きっとたのしいことはたくさんあるけれど、むずかしいこともあるでしょう。
でも、これからもがんばっていくので、いっそうかしこく、そして、心やさしい小学生になるにちがいありません。