教育

君の良いところ11~15 素直にできたこと

以前、学習塾で個別に小学4年生の子に国語を教えていました。

軽度の発達障害をもった子でした。

小3まで通っていた学童保育では、「人間じゃない」と罵倒されたこともあると、お母さんが言われていました。

この子の自己肯定感を育てるために「宝物ファイル」を作ってもらい、賞状や思い出の写真の他に、1枚の紙を入れて、毎週お母さんから「〇〇くんの良いところ」を一言書いてもらっていました。

私も毎週、A4一枚に紙に、少し長い文章を書いて入れてあげていました。

数年後にでも、気が向いたときに読んでくれればいいなと思ってのことです。

これからご紹介するものは、その手紙です。

振り返ってみると、〇〇くんに限らず、他の子にも言えるようなことばかり書いていました。

そこで、ご家庭や他の教育機関で、子どもを指導するときに、ご参考になればと思い、ご紹介していきます。

20枚ありますので、5つずつに分けます。

君の良いところ11 ~健康だということ~

 〇〇くんの良いところは、大きなケガや大きな病気をしたことがないほど、健康だということです。

 健康であることは、だれも望む、とても良いことです。

 実は、生まれてすぐに病気で死んでしまう赤ちゃんはおおぜいいます。

 それは、いろいろな理由からです。

 たとえば、赤ちゃんがお母さんのおなかにいるときに、じゅうぶんに、健康に気をつけずに生活しなかったことで、赤ちゃんがよく育たずに弱ってしまうという理由もあります。

 〇〇くんがじょうぶな体で生まれたのは、お母さんやお父さんのおかげでしょう。

 とりわけ、じょうぶな体に生んでくれたお母さんに感謝するべきでしょう。

 生まれてからも、赤ちゃんのときに、大きな病気や大きなケガをしなかったのは、まわりの大人(お母さんやお父さん、おばちゃん?)のおかげでしょう。

 少し大きくなっても、大きな病気やお大きなケガをしなかってのは、〇〇くんも健康に気をつけているからでしょう。

 次の文は、交通事故で自分の子どもをなくした親が書いたものです。

   
 「危ないから、車には気をつけるのよ」と、子どもにいつも言い聞かせていました。

  ところが、その日、自転車で道路をわたるときに、あわてたようです。

  大型トラックが急ブレーキをかけましたが、はじきとばされました。

  頭を強くうって、いしきがなくなりました。

  すぐに救急車で病院にはこばれましたが、いしきはもどらず、死んでしまいまいた。

ほんの何時間前までは、元気ではしりまわっていた子が、私より先に死んでしまうな 
んて、信じられませんでした。

  泣いても泣いても、なみだがとまりませんでした。

 〇〇くんと家族にこういうことがなくて、本当に良かったです。
 
2020年8月29日 
                                   

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君の良いところ12 ~優しいところ~

 〇〇くんの良いところは、優しいところです。
 これは、〇〇くんのお母さんが、幼稚園のころから友達のお母さんから聞かれたことです。

 具体的にはどういうことか知りませんが、友達のお母さんは、二人が遊んでいる様子を見て、あるいは〇〇くんの言葉を聞いて、そう思われたのでしょう。

 ところで、作者は不明ですが、こんな詩があります。

   一つの言葉
 
一つの言葉でけんかして、

一つの言葉で仲直り。

一つの言葉で頭が下がり、

一つの言葉で笑い合い、

一つの言葉で泣かされる。

一つの言葉はそれぞれに、

一つの心をもっている。

きれいな言葉はきれいな心、

優しい言葉は優しい心。

一つの言葉を大切に、

一つの言葉を美しく

たとえば、

「ありがとう」「ごめんなさい」「いただきます」「ごちそうさま」

そんな平凡な言葉も、自分と人の心を優していきますね。

 2020年9月5日 
                                   

君の良いところ 13 ~素直にできたこと~

 〇〇くんの良いところは、1週間、給食袋を毎日、持って帰ることができたことです。

 お母さんによると、これまで(3年生、4年生の1学期まで?)あまりできていなかったそうです。

 お母さんにとっては、これまで何回言っても、できなかった?ので、これが続けてできたのは、うれしいできごとだったと思われます。
 
 給食袋を持って帰るのは、学校の先生から言われたからだと〇〇くんは言っていました。
 
 学校の先生が言われたことを素直にできるのは、とても良いことです。

 「素直さ」というのは、子どもも大人も成長していくために大切な徳です。

 パナソニックという会社をつくった松下幸之助さんは、
「人間して伸びていく人には、素直さがある」
と言っていました。

 松下幸之助さんは、会社の経営のとてもじょうずな人で、「経営の神様」とも言われて、なくなった、いまも尊敬されているひとです。

 その人が、「素直さは大人にも、会社の経営にも大切だ」と語っていました。

 素直な人は、必ず成長します。

 子どもには、親や先生の言われること、理解できないこと、納得いかないと思えることがあるかも知れません。

 でも、親や先生は子どもよろもはるかに知識と経験に富み、すぐれた力をもっています。

 そして、子どもの成長を望んでいます。

 子どもの幸せをねがっています。

 ですから、たいていことは、親や先生の言われることを素直に聞きいれたほうが、子どものためになるのです。

 〇〇くんは、「はい」という返事がよく言えます。

 この「はい」という返事は、自分の心を素直にしていく最強の言葉です。

 自分もまわりの人も幸せにしていく言葉です。

 2020年9月12日                                    

君の良いところ14 ~感謝の言葉が言えたこと~

〇〇くんの良いところは、この前「ありがとうございました」という言葉がはっきり言えたことです。

子どもの頃から、「何かいいことがあったら、感謝しなさい」と教えられてきたと思います。

小さい子どもも、おかしをもらった、いいことだとわかり、「ありがとう」と言えます。

でも、授業が終わった後、なぜ「ありがとう」と言うのか、わからないことがあると思います。

それは、授業で勉強できるのは、将来のためになるい良いことだからです。

そして、授業は一人でできるものでなく、先生や他の人(友達)といっしょにするものだからです。

実は、子どもだけでなく、先生にとっても、授業は勉強です。

どのように教えればよいのかを、子どもたちから習っているのです。

お互いに勉強しあって、賢くなっていけるので、いいことです。

ですから、いっしょに勉強してくれた人に「ありがとう」と感謝し合います。

ところで、感謝ができない子どもは、不幸です。

してもらって当たり前、感謝しなくてもいいと思っているのです。

本当は、してもらって当たり前のことなんかないのです。

たとえば、普通にごはんが食べられるのも、本当は当たり前ではありません。

もしも、親が「もう働くのがイヤになったからもう働かない」と仕事をしなければ、食材を買うお金もなくなります。

もしも、「食事を作るのは面倒だからもうやめた」と言って何もしてくれなかったら、食べる物がなくなります。

もしも、親が病気になったり、事故で入院したりしたら、ごはんどころではなくなります。

だから、今日普通に食事ができることは、実にありがたいことです。 

ですから、食事のときは、感謝の気もちをこめて、「いただきます」「ごちそうさま」と言います。

  2020年9月19日                                  
                                   

君の良いところ15 ~良い点が取れたこと~

〇〇くんの良いところは、この前の漢字テストで良い点が取れたことです。

何が出題されるかあからじめ予告されている漢字の10問テストで、100点か、それに近い点を取れる子には、つぎのような特長があります。

1.普段から、練習(宿題)をしている。

2.テスト前に、出題範囲の練習をしてきている。

これらのどちかが完璧でないと、100点は取れません。

〇〇くんが100点、それに近い点を取れたのは、これらができたからです。

何が出題されるかあからじめ予告されている漢字の小テストは、がんばれば、満点かそれに近い点が取れます。

つまり、がんばったからです。

これは私が多くの小学生を見てきて、はっきりと言えることですが、

頭がすごくいい子でも、これから成績が悪くなる子は、この点を怠けます。

頭の善し悪しにあまり関係なく、
これから成績が良くなる子は、この点をがんばって続けられます。

1回、2回でなく、何度も何度でも・・・・。

つまり、成績が良くなる子は、「がんばり続ける」ことができるのです。

ある教育者は、このことを「努力の持続」と言います。 

「努力の持続」は、何が出題されるかあからじめ予告されている漢字の10問テストの
結果でわかります。

「継続は力なり」と言います。

良いことを続けていくと、それが習慣となって、他の勉強にも良い影響と結果を生みます。

  2020年9月26日   

君の良いところ16~20 多くの時間と愛情をもらえたこと以前、学習塾で個別に小学4年生の子に国語を教えていました。 軽度の発達障害をもった子でした。 小3まで通っていた学童保育では、「人間...