イライラした感情で、子どもに接して、ガミガミりつけるやり方は、互いにストレスの元になります。
子どもが幼少の頃は、まだそういうやり方で、子どもは言うことを聞きますが、自我の芽生えとして、子どもは3歳ごろにはイヤイヤを言うようになります。
また小学生3・4年生のギャングエイジは、親に反発する言葉や態度が頻繁に出てくる時期です。
危ないことや、人に迷惑をかける行為に対しては、叱らなればなりません。
しかし、どの時期であっても、子どもは叱るよりもほめる方を多くしたが、子育ては楽で楽しくなります。
その理由です。
A 子どもが自主的に動くようになる
山本五十六元帥に次のような名言があります。
「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
山本五十六元帥は、連合艦隊司令長官として何千何万人もの人を命令一つで動かすことができた人です。
それほどの人物が、人を動かすには、命令するだけではダメだと思っていたのです。
子どもに対しても同じです。親や教師なら、権威をもって、「ああしなさい」「こうしなさい」と命令し、ある程度子どもを動かすことはできるでしょう。
しかし、多くの場合、子どもは動かされているのであって、自分から動いているとは言えません。
子どもが命令によって受身的に動かされるのではなく、自分から主体的に動くようになるためには、ほめてやらねばなりません。
ほめてもらえたことで、子どもは、自分の行動を「あっ、これでいいんだ」と納得し自信がつきます。
ほめてもらえたことで、喜びが生まれやる気も出てきます。
すると、いちいち親から言われなくても自分からすすんで行動するようになり、その結果、親は楽になるのです。
B ほめるとストレスが減り、笑顔になれる
「一怒一老」「一笑一若」という言葉があります。
「一怒一老」は、一つ怒ると、その分老け込むという意味です。
怒ると緊張やストレスが増し、精神的に疲れて早く老いていくのです。
「一笑一若」は、その逆です。
一つ笑うと、一つ若くなる、という意味です。
近年、医学分野でも笑うことは健康や病気の回復に効果があるとさかんに言われています。笑うことは、精神をリラックスさせ、よい人間関係をつくる上でも大切なことです。
ところで、ほめることは、笑うことにも通じます。
親が子どもをほめるとき、怒っていることはまずありえません。たいていは、笑顔なのです。
「よくがんばったね」「えらいね」とか、子どもに笑いかけながら、ほめ言葉を言うものです。
その結果、子どもからも笑顔が返ってきます。
そうすると、親子間に温かなコミュニケーションが成立し、よい親子関係が育っていきます。
★親子の幸せのためにも、ほめることを増やそう。