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笑顔で幸せになれる5つの理由

笑顔で幸せになれます。

自分も周りの人も・・・。

「笑う門には福来る」

なぜでしょうか?

どんな良いことがあるのでしょうか?

以前に書いた記事をご紹介します。

笑顔だからいい事が起きる

先日、東京都稲城市にある介護老人福祉施設の職員研修会で講演をさせていただきました。

テーマはほほえみで心豊かに~笑顔と感謝で幸せになる」です。笑顔について特に好評だった話を短くご紹介します。

十年ほど前の話です。ある会社の朝礼で、社員のIさんが、次の言葉を黒板に書きスピーチをしました。

「いい事が起きたから笑顔になるのではない、笑顔だからいい事が起きる」

社長はじめ社員たちも大いに気にいったそうです。

その後、この言葉は会社のモットーになりました。特製の紙に印刷され、社内の応接室やトイレなどにも張られ、名刺にも記載されるようになったのです。毎日、皆が笑顔を心がけると、職場の雰囲気が明るくなりました。次第にお客が増えて、会社の業績も上がってきたそうです。

そんな子細をIさんから手紙で教えてもらい驚きました。先の言葉は拙著に書いたものでしたが、私自身も笑顔の生み出す効果に改めて感じ入ったのです。

さて、笑顔だといい事が起こるのは、なぜでしょう。私は次のように考えています。

1笑顔だと、相手を大切に思う気持ちを伝えられる。

2笑顔で接してもらった人には、喜びが生まれる。

3おのずと人間関係が良くなる。

4笑顔は人の表情もまわりの雰囲気も明るくする。

5笑顔は健康や美容にもいい。

その結果、会社や店が活気づき、お客が喜び、業績が上がるのは当然でしょう。

「笑う門には福来る」とは、つくづく真実なのです。

ちなみに、私は何もしていないのに、この会社の商品(焼酎の詰め合わせ)を贈っていただきました。笑顔を提唱したIさんは、数年前から社長となって活躍中です。(2022年現在は引退)また、宮崎県のカトリック串間教会の信徒会長としても!

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あいさつに笑顔をそえる

もう一つ。ある病院の看護師さんたちの話です。

看護師さんたちは、患者さんとの心の交流を大切にするためにいろいろと努力しています。その一つがあいさつです。

普段、病室に入ったときに、看護師さんは患者さん皆にあいさつします。「おはようございます」と大きな声で。しかし、ある人は返事をしなかったり、よそをむいていたりするのです。

どうしてなのか、一人ひとり尋ねてみると、いろいろとわかりました。

ほとんどの患者さんは、声は聞こえてはいたがなにやら機械的で自分に声をかけてもらったとは感じていなかったこと。

また、返事をしても病気で弱った体ではか細い声しか出せず、自分の声は看護師さんに届かず、自分も無視されているように感じていたこと、など。

そこで、看護師さんは反省し、話し合って、次のようなことを心がけるようにしました。

1相手の目を見る。

2できれば名前で呼びかける。

3自分から進んで声をかける。

4笑顔で声をかける。

人は、自分をその他大勢として見られるよりも、一人の人格として認められたほうがうれしいものです。相手への敬意や労りが伝わり合えば、温かな心の交流が生まれます。

看護師さんは、あいさつを通して、一人ひとりの患者さんの心に寄り添いたいと考えたのです。そういう思いは、相手に必ず伝わるものです。患者さんの反応が次第に変わってきました。

そっぽを向いていた人もあいさつを返してくれるようになっただけでなく、自分からしてくれるようになったのです。しかも笑顔で。痛いところがあったり、熱があったりするのに。

「朝、看護師さんの笑顔を見ると身体の痛みがやわらぎます」「看護師さんと会話をかわすのが、一番の治療法です」

そう言って感謝する人もいるそうです。

ほほえみを愛の始まりにする

 神さまは、私たちに顔を与えてくださいました。どんな表情をするかは、自由であり、その時の気分にもよるでしょうが、なるべく笑顔でいたいものです。

 笑顔は満面の笑みでなくても大丈夫。しかめっ面をやめて、口角をあげて、相手に視線を向けてほほえみかけるといいです。

 ほほえみは、相手に私たちのもつ温かな愛を伝えます。悲しむ人の心を癒し、喜びの光を与えます。友情を育て、幸福をもたらします。ほほえみを与えても何も減ることはありませんが、もらった人も与えた人の心も愛によって豊かになるのです。

マザー・テレサは言いました。

「平和は、ほほえみから始まります。笑顔なんかとても向けられないと思う人に、一日五回はほほえみなさい。平和のためにそうするのです」

苦手な相手であれば、ほほえむのは難しいものです。自分自身も疲れていれば、なおさらです。でもだからこそ、自分からほほえむことは、平和と愛の始まりになります。神さまは私たちを祝福されるのです。

ときに傷つき、生きるのに疲れることのある私たちは、傍らにほほえんでくれる人が必要です。Iさんの会社の方々のように、看護師さんたちのように、私もできるだけ優しいまなざしをもってほほえみ、笑顔で接していければと思います。

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『カトリック生活』2019年9月号 連載エッセー「いのり・ひかり・みのり」第94回 拙稿「笑顔で幸せになる」より