いい習慣

定年後も働いたほうがメリットが多い

定年を迎えて、現役のときは大変だったので、少し休みたい、もう仕事をしたくない、のんびりしたいという気持ちはわかります。

ただ、ずっと家に居て、趣味に興じたり、本を読んだり、ネットを見たりしたりするのも悪くないでしょうが、私ならそれだけでは飽きて、身体がムズムズしてくるでしょう。

私は身体が動くうちは、身体を使って働きたいです。

そのメリットは、いくつもあります。

高齢になっても働くメリット

収入が入る

現役時代よりも少ないでしょうが、物価も税金も上がっていくので、多少は生活費の足しにはなるでしょう。有難いことです。

健康に良い

家にこもっているよりも、外に出て身体を動かした方が健康にいいし、仕事では頭も使うので認知症の予防にもなります。

私は、50歳台には執筆のためにパソコンの前に座っている時間が長く、身体に不調が出てきたのですが、60歳台になって外で働くうちに次第に体調が良くなってきました。

特別な運動をしたり、ジムに行ったりしなくても、歩いて職場を往復するだけでも、良い運動になっています。

社会的な意義が味わえる

定年後は会社の人たちとの付き合いもなくなり、気は楽になることもあるでしょうが、 それは一時的なことで、家に引きこもっていると、次第に孤独感がでてくるものです。

でも、小さな仕事ながら働き始めれば、自分が社会の一員として役立っている生きがい感を味わえるでしょう。

ただし、高齢者になると、職場によっては若い人優先で、本格的な再就職は難しいでしょう。

気楽にアルバイト、雇ってもらえたらラッキーという心づもりで、仕事を探してみたらよいかと思います。

私は、60歳を過ぎたころから、これまでしたことのない仕事を経験してみたくていろいとやってみました。

後でも述べますが、これまでとは違う人間関係がつくれるチャンスでもあります。

ところで、他にも面白いデータがあるので、ご紹介しましょう。

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仕事に満足する人が増える

リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」によれば、現役時代よりも小さな仕事ではあるが、やりがいを感じ、満足している人は増えるということがわかっています。

 「年齢を追いながら仕事満足度の推移を見ていくと、(中略)50歳時点の35.9%まで低調に推移を続ける。壮年期の労働者のうち現在の仕事に満足しているといえる人は3人に1人しかいない。そして、50歳以降は一転して仕事に満足している人の割合は急上昇する。60歳の就業者の45.3%、70歳の就業者の59.6%が仕事に満足している。つまり、70歳の就業者の5人に3人が、いまの仕事に満足していると答えているのである。」((坂本貴志著『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救』 (講談社現代新書)より)

定年後の労働者は、かつて従事した責任ある仕事を失い低い給与で働いているでしょうに、定年後は、どうして仕事に満足する人が増えるのでしょうか。

その理由の1つは、現役時代の重責のある仕事から解放されて時間的にも物理的にも負担が減り、ストレスが減るということがあると思います。

もう1つは、新しい職場環境でストレスの少ない良い人間関係をつくれることもあるかと思います。

もし仕事でストレスがあれば、アルバイトなので、別の職場に移ることもできるのですから。

働いてみると楽しいこともあります

私は、いまある児童福祉施設で週に2、3回、働いています。

20歳から70歳代のスタッフたちと一緒に、障害をもった2歳から小学生までの子どもたちと遊んだり勉強を見たりして関わっています。

難しいこともあるけれど、新鮮で楽しい仕事です。

子どもたちを車で、学校や自宅まで送迎することがあるので、学校の先生、家族(主に母親)とも短いながら会話を交わすことがあります。いつも感謝されます。

しかし、以前に勤めた同じような施設は、施設長が厳しい人で、辞めていくスタッフが年に10人くらいもいました。私もさっさと辞めて、別のところに移ったというわけです。

同じ職種でも職場と人間関係によって仕事への満足度は変わってくるものですね。

もう一つの例です。

あいさつ1つでほのぼのとしてくる

70歳代のガードマンさんの話ですが、彼の仕事ぶりはいつも楽しそうです。 

私の近所には保育園があって、朝と夕方、保育園の門前で一定時間、そのガードマンさんは立っているのですが、いつも笑顔で明るく大きな声で、園児や保護者にあいさつをします。そして、園児や保護者からも明るくあいさつや感謝の言葉が返ってきます。

そのやりとりを聞いていると、ほのぼのとします。

私も毎日そのガードマンさんとあいさつするのが楽しみになっています。

高齢者になっても、自分から進んであいさつをすることで、まわりの人との良好な関係をつくれます。

保育園のガードマンさんにはあいさつも仕事のうちかしれませんが、あいさつ一つで、幸せな気持ちにもなれるのです。