絵本・子どもの本

絵本を通して大人も癒され元気になれる

メルマガやブログなどで、毎週1回、10年以上に渡って絵本や児童図書を紹介し時期がありります。

そのため、教師だった時よりも、はるかに多くの絵本を読むようになりました。

そのおかげで、大人が読んでも楽しいし感動できる絵本がたくさんあることを知ることができました。

ノンフィクション作家の柳田邦夫さんも言われています。

「絵本という表現ジャンルは、実は子どもだけのものではなく、年齢や世代を超えて共有できるものなのだ。

ユーモア、機智、悲しみ、別れ、思いやり、心のつながり、支えあい、愛、心の持ち方、生き方など、人間として生きていく上で、大事なものを、深く考えさせられる。」

柳田邦夫著『大人が絵本に涙する時』

私も感動した絵本のいくつかをご紹介します。

大人も感動できる絵本 

『ずーっとずっとだいすきだよ』(評論社)ハンス・ウィルヘルム作。

主人公のぼくと犬のエルフは、幼い頃から仲良しでした。けれども、エルフはいつしか年をとって、動けなくなります。ぼくは、寝る前に必ず「エルフ、ずーっと、ずっと、だいすきだよ」って言ってやるのです。エルフが最期を迎えるまで……。

『ともだちや』(偕成社)内田麟太郎作・ 降矢なな絵

一時間百円で友だちになる「ともだちや」という商売を始めた寂しがりやのキツネ。でも、なかなかうまくいきません。そんな時、声をかけてきたのはオオカミでした。トランプで遊んだ後にキツネがお代を請求すると、オオカミは叫びました。

「お、おまえは、ともだちから金をとるのか。それが本当のともだちか!」。

ユーモラスな文章と生き生きした動物たちの絵が合わさった、大人気「おれたち、ともだちシリーズ」の第一作目です。

『かたあしだちょうのエルフ』(ポプラ社) おのきがく作

みんなを守るため、ひとりでライオンと戦い、片足を失ってしまっただちょうのエルフ。そのため、エサを取るのもままならなくなります。はじめのうちは仲間が助けてくれるのですが、やがて忘れられていきます。

そんなある日、再びだちょうたちにピンチがやってきます。そのとき、片足のエルフが取った行動は……。世代を越えて読み継がれている、大人も泣ける絵本です。

『きつねのでんわボックス』(金の星社)戸田和代作・たかすかずみ絵

町はずれのでんわボックスにあかりが灯るころ、病気のおかあさんにでんわをかけにやってくる男の子。それをそっと見守る子どもをなくした、かあさんぎつね。

「ぼうやがうれしいと、かあさんはいつもうれしいの」

わが子を思う母親の心情が心にしみます。絵と文章が見事に調和し、悲しいけれど優しい愛の絵本です。

『うまれてきてくれてありがとう』(童心社)にしもとよう作・黒井健絵

「ぼくは、ママをさがしているの。かみさまが、『うまれていいよ』っていってくれたから」赤ちゃんは、ママに会いたくて、ママを探しつづけます。ママも、赤ちゃんが生まれるのをずっと心待ちにしています。

「あなたは、世界でたった一人のかけがえのない存在。うまれてきてくれて、ありがとう。」

親から子へメッセージを伝えることで、子どもの自己肯定感を育み、尊い命の誕生を親子で喜びあえるでしょう。

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絵本から生きる力を得る

私は特に子育て講演のとき、大人に絵本の読み聞かせをさせていただいています。

それには理由が二つあります。一つは、絵本の良さを大人にも再認識してもらい、親が子どもに読み聞かせをするきっかけになればと願うから。

もう一つは、絵本の物語を味わってもらうと、講演で伝えたいことが、より心に響くことが多いからです。

読み始めると、多くの方々が真剣に耳を傾け、感動して涙を流されます。

これまで読み聞かせをさせていただき好評だった絵本をご紹介します。

『おこだでませんように』(小学館)。くすのきしげのり作・石井聖岳絵

いつも怒られてばかりで悩んでいる小学一年生男子の心情をよく表しており、私も読みながら涙が出そうになります。

『おまえうまそうだな』『ぼくにもそのあいをください』(ポプラ社)宮西達也作

描かれている恐竜の世界がユーモラスで楽しくて、感動的です。本当の強さとは、やさしさや愛ではないか、と考えさせてくれます。

最後に、誠に僭越ながら、これから読んでいきたい絵本です。

『マザー・テレサ愛と祈りをこめて』(PHP研究所)中井俊已作・おむらまりこ絵

「あなたのそばにいる貧しい人、弱い人、さみしい人を心から大切にしてあげてください」と語ったマザー・テレサの生涯や言葉をたどることで、広く多くの方に神のいつくしみを示すことができれば幸いに思います。

絵本は読んでもらってもいいし、ひとりで読んでもいいものです。活字が苦手な人にも親しみやすく、まとまった時間が見つけにくい人にも手に取りやすいですね。

絵本を通して、大人も心が癒され、元気になり、前向きに生きる力を得ることができればと願っています。

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『カトリック生活』2016年2月号 連載エッセー「いのり・ひかり・みのり」第51回 拙稿「大人も絵本を読もう」を修正・加筆