子どもを叱ってばかり。
疲れてストレスになっている。
子どもがのびのび育っていないかも?
と悩んでいる親御さんは多いです。
その悩みを解決するヒントは、ズバリ「子どもをほめる」ことです。
子どもをもっとほめる
私は元小学校教師で、家庭教育書を何冊か出しているので、学校や幼稚園・保育園から子育て講演を依頼されます。
「親も子も幸せになる子育てのヒント」というテーマが多いです。
講演でお伝えするヒントには、「子どもをもっとほめましょう」ということがあります。
ほめ言葉は、子どもの成長に不可欠です。
特に、笑顔をともなったほめ言葉は、子どもへの大きな励ましとなり、やる気を引き出し、その能力をどんどん伸ばしていきます。
無論、子どもの成長のためには、叱るることも必要です。
でも、叱ることは、親子両方に問題を生じ、ストレスになりやすいのです。
日本の子どもは自己肯定感が低い
日本では十分自信や自己肯定感を育てられている子どもが少ないです。
以前、ベネッセ教育研究所が、日本、米国など六ヶ国約300~2000人の小学5年生を対象に「小学生の自己評価」の調査発表を行いました。
それによると、「勉強ができる」「友達から人気のある子」「正直な子」「親切な子」「よく働く子」「勇気のある子」のすべての項目で、自分が「とてもよくあてはまる」と回答した者の割合は、日本の小学5年生がもっとも低かったのです。
これは、一体どういうことでしょうか。
日本の子どもの自己評価が極めて低いのは、その能力や人格が他国の子どもより低いわけではありません。
それは恐らく、親や教師の子どもに対する評価が低いため、あるいは日本では子どもの個性が十分に親や教師から認められ、ほめられてこなかったからではないでしょうか。
ほめるとなぜいいの?
子どもには、自信や自己肯定感(自尊心)をもたせることが大切です。
それらは植物の根のように、大切です。
根っこは土の中で隠れていて見えませんが、深く広く張るほどに将来大きな実りをもたらします。
表面的なことにあまりとらわれず、その子が大きく育つことを信じて、その心の根っこに豊かな水や栄養を与えることが大切です。
その水や栄養となるものの大半は、子どものよいところを見いだし、ほめることなのです。
ほめられることで、子どもは自分を認められたと感じます。
自分を好きになり、自分に自信をもち、やる気も増すようになります。
小さな当たり前ことを認める
ほめると言っても、特別なことではなく、小さな、当たり前のことを認めてあげるだけでいいです。
現実の生活の場面で、具体的にほめると効果的です。
たとえば、「よくあいさつができるね」とほめられた子は、次も自分から進んであいさつをします。
「ほうきの使い方が上手になったね」とほめられた子は、掃除中にほうきを大切に扱うようになります。
「字をていねいに書けるようになったね」とほめられた子は、次も字をていねいに書こうとします。
認められることで、子どもは喜びを感じ、自己肯定感(自尊心)を育てていけます。
親自身も叱ることが少なくなり、子育てが前より楽しくなってくるでしょう。