いい言葉

2万人が選んだ「歴史の名言」ベスト20(NHK「その時歴史が動いた」より)

歴史上の人物の名言NHK歴史情報番組「その時歴史が動いた」で放送されたもののうちベスト20をご紹介します。

歴史のターニングポイントである「その時」を中心に、関連する人物の行動や心情、そこに至るまでの背景などを新鮮な切り口で解説するNHKの歴史情報番組「その時歴史は動いた」。

名キャスター松平定知氏によるクオリティー(質)の高い、長寿人気番組でした。

その「その時歴史は動いた」が、紹介してきた登場人物の言葉のベスト20を決定。

過去の映像を再編集し、2007年3月28日に「スペシャル もう一度聞きたい あの人の言葉」として放送しました。

このベスト20は、第1回放送の2000年3月29日から280回を超える放送の中で
取り上げた人物の言葉100(1人物1つ)を制作スタッフが選び、2月中旬~3月上旬に番組公式サイトに掲載されました。

その中で、視聴者から寄せられた2万を超える投票の中から上位20を選んだものです。

まずは、ベスト10の名言をご紹介します。

第1位から10位

1位 高杉晋作

「おもしろきこともなき世をおもしろく・・・」

第1位の高杉晋作が病床で詠んだ辞世の歌は、

●おもしろきこともなき世をおもしろく すみなすものは心なりけり

ただし、高杉晋作が詠んだのは、上の句だけで、下の句は看病していた野村望東尼が付けたものだそうです。

それに対して高杉は「おもしろいのう……」とつぶやいたというエピソードがあります。

世の中、辛いことや厳しいことは多々ありますが、自分の心の持ち方によって、面白く楽しい人生を送っていきたいものです。

2位 諸葛孔明

「学問は静から 才能は学から生まれる。学ぶことで才能は開花する。志がなければ学問の完成はない」

3位 山本五十六

「百年兵を養うはただ平和を守るためである」

4位 坂本竜馬

「日本を今一度せんたくいたし申候」

5位 大和の海軍士官

「日本は進歩ということを軽んじすぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって真の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ以外にどうして日本が救われるか 。今目覚めずしていつ救われるか。俺たちはその先導になるのだ。日本の新生にさきがけて散る。まさに本望じゃないか」

6位 織田信長

「是非に及ばず」

7位 杉原千畝

「私のしたことは外交官としては間違ったことだったかもしれない。しかし 私には頼ってきた何千人もの人を見殺しにすることはできなかった。大したことをしたわけではない。当然のことをしただけです」

8位 石田三成

「筑摩江や 芦間に灯すかがり火と ともに消えゆく 我が身なりけり」

9位 武田信玄

「上杉謙信とは和議を結ぶように。謙信は男らしい武将であるから頼ってゆけば若いお前を苦しめるような行いはすまい。私は最後まで謙信に頼るとは言い出せなかった。お前は必ず謙信を頼りとするがよい。上杉謙信はそのように評価してよい男である」

10位 白洲次郎

「われわれは戦争に負けたのであって奴隷になったわけではない」

さすがに非常に味わい深い名言ばかりです。

ベスト10には入りませんでしたが、11位以降の言葉も素晴らしいです。

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第11位から20位

11位 上杉鷹山

「成せば成る 成さねば成らぬ何事も 成らぬは人の成さぬなりけり」

12位 近藤勇

「孤軍たすけ絶えて俘囚(ふしゅう)となる。顧みて君恩(くんおん)をおもえば涙更に流る。義を取り生を捨つるは吾が尊ぶ所 快く受けん電光三尺の剣只将(ただまさ)に 一死君恩に報いん」

13位 柳生宗矩

「こうしようと一筋に思う心こそ人が誰しも抱える病である。この病を必ず治そうというこだわりもまた病である。自然体でいること。それが剣の道にかなう本当にこの病を治すということなのである」

14位 劉玄徳

「大事をなすにはなによりも人をもって本(もと)となす。今 自分をしたってきてくれている人々をむざむざと見捨てて行けるか」

15位 黒田官兵衛

「我 人に媚びず 富貴(ふうき)を望まず」

16位 藤堂高虎

「寝室を出るときから今日は死ぬ番であると心に決めなさい。その覚悟があればものに動ずることがない」

17位 中岡慎太郎

「志とは 目先の貴賤で動かされるようなものではない。今 賤しいと思えるものが明日は貴いかもしれない。君子となるか小人となるかは家柄の中にはない。君 自らの中にあるのだ」

18位 徳川家康

「三河武士は宝を持ちません。しかし あえて宝といえば私に命を預けてくれる五百騎の武士(もののふ)たちでありましょう」

19位 吉田松陰

「死して不朽(ふきゅう)の見込みあらばいつでも死ぬべし。生きて大業(たいぎょう)の見込みあらばいつでも生くべし」

20位 天草四郎

「いま籠城している者たちは来世まで友になる」

元長崎県人として、キリスト信者として、天草四郎について、ちょっと解説します。

天草四郎(本名、益田四郎時貞)は、若干16歳の若者でありながら、天草島原の乱の総大将でした。

江戸幕府の圧制に対抗する農民の救世主、預言にかなった神の子として、3万7千人の民衆を率いて、幕府軍12万4千人と対峙しました。

原城に立て篭もり3ヶ月の籠城戦を戦いまいましたが、唯一人の密通者を除いて、全員討ち死にし、天草四郎も首をはねられました。

身分格差の厳しい世に翻弄されながら、また民衆の神へのすがるような思いを受けながら、自由で平等な世を願い、自分の役割を担って闘った四郎の姿は、
いまも私たち現代人の心を揺さぶります。

「いま籠城している者たちは来世まで友になる」

四郎のこの言葉は、討ち死にを覚悟して籠城した3万7千人もの民衆への励ましです。

たとえ死んでも、自分たちの戦いは無駄ではないと、四郎は確信していたのでしょう。

3万7千人の友のために先頭に立った少年が見つめていたものは、真に自由で平等な世界だったのかもしれません。

歴史の名言を味わおう。

現代をよく生きるための知恵を学べます。 (^.^)

出典:NHK「その時歴史が動いた」編『「その時歴史が動いた」心に響く名言集』(三笠書房)

NHK歴史情報番組「その時歴史が動いた」「スペシャル もう一度聞きたい あの人の言葉」より(2007年3月28日放送)