「心が折れる」という言葉をときどき聞きます。
ほんのちょっとしたことで傷つく。
自信を喪失してヒドク落ち込む。
やる気をなくして、やりかけたことを放り出してしまう。
そんな人が増えているとのことです。
だれにでも「心が折れそうな」不遇のときはあります。
逆境のときもあります。
そんなときは、どうしたらいいのでしょう。
世の成功者のほとんどは、不遇のとき、逆境のときにも、困難に負けずに道を切り開いていきました。
そのように困難を克服していける強い心を育てるには、どうしたらよいでしょう。
今日は、そのヒントを2つ、ご提供しましょう。
ある成功者の母親が捧げた非常識な祈り
ある成功者が自分の母親について語った話にこんな言葉がありました。
「私の母は、毎日、私達子供のために祈ってくれました。
『どうか、子供達のためにたくさんの困難が来ますように』と」
あれっ!?と思いました。
親は、ふつうわが子の幸せを祈るものです。
なのに、このお母さんは、わが子のために逆のことを祈っていると、一瞬考えたのです。
でも、そうではありません。
ふつうの親は「わが子には苦労をさせたくない」「苦労させるのはかわいそう」と思います。
そのためか、子供が何か困ったことや難しい局面に出会うと、親がつい口や手を出してしまうこともあります。
そうすると、子供は物事に対して自分から積極的に働きかけない、何か問題に出会っても自分では解決できなくなってしまうのです。
逆に、このお母さんは「困難に出会ってもかわいそう」とは考えていません。
むしろ「人は困難から学ぶ」ということをことを知っています。
「困難は人間として成長する機会ですよ」
「だから困難から逃げず、克服して、より強くたくましく成長しなさい」
と子供たちに教えているのです。
しかも、このお母さんには、
「どんな困難でも、わが子たちは乗り越えていける」
という子供への信頼と愛情が根本にあることは言うまでもないでしょう。
もろろん、私達に不要な困難が降りかかるのはよろしくありません。
人様に「困難が来ますように」と祈るには、もってのほかです。
が、私たち自身が、困難に出会ったときに、それを成長のチャンスと考えられたら、心は折れるどころか、より強くなっていけるのです。
本を読んで「心の味方、心の師をもつ」(齋藤 孝氏)
もう一つ、明治大学の齋藤 孝氏の本を読んでなるほど思ったことです。
それは、日頃から「心の味方、心の師をもつ」ということ。
それは、齋藤氏ご自身の経験からです。
いまや各方面で大活躍の齋藤氏にも、不遇のときはあったのです。
それは2度。大学受験に失敗したとき、そして大学院を出ても就職先が見つからなかった浪人時代のときです。
齋藤氏は、この時期に猛烈に本を読んでいらっしゃいます。
古今東西のあらゆる著者の本を・・・。
そして、自分の心をサポートしてくれる味方、真似ぶべき師を言葉を通して見つけていったのです。
『折れない心の作り方』というご著書にこうありました。
「心の味方や心の師をもつと、自己否定に潰れなくなる。自信がなくなって自己否定の概念が湧き上がってきたとしても、自分の問題に強力な他者の存在を関わらせることができるので、心が挫けにくい」
読書がいまの齋藤氏の心の支えとなり、氏のその後の仕事を推進しているのは間違いありません。
心が折れそうなときには本を読むといい、と私も思います。
自分や他人を肯定でき、人生を前向きに生きていける本を・・・
そういう本が心に染みてくるのは、きっと自分が何かの問題を抱えているときです。
だから問題があるのは、少しも問題ではありません。
自分がいっそう成長できるチャンスをもらっているのです。
いまは成長できるチャンスだと考えよう。
前向きに捉えれば、困難は将来の自分のためになります。(^.^)
【出典】齋藤 孝著『折れない心の作り方』(文藝春秋) マダム・ホー著『世界の富める男達のお金と愛情の法則』(ダイヤモンド社)