子どもを伸ばすためには、親や教師が変わることです。
習慣を変えればいいのです。
そういうことを、ときどき講演会で申し上げてきました。
親の習慣が子どもを伸ばす
大分市立金池小学校での講演「子どもを伸ばす親の7つの習慣」
でも、そうでした。
この話はどこでもたいてい好評です。
7つとしていますが、本当はもっとたくさんあります。
いくらでもあります。
7つとしていますが、本当はその中に10も20も盛り込んでいます。
でも、すべてを実行する必要はありません。
ご自分でこれはいい!
と思われることを実践すればよいと思うのです。
必ず、いいことがあります。
まずご自分に変化があり、親子の関係に変化があり、その結果、子どもが伸びます。
これからしばらくそんなお話をしていきたいと思います。
小さなことが大事
「子どもを伸ばす親の習慣」のお話をする前に、お話しておきたいことがあります。
私が入学したての小学一年生の保護者のオリエンテーションで、毎回、お話してきたことです。
それは、学校でも家庭でも、教育という営みは小さなことばかりだということです。
たとえば、入学間もない小学一年生教室でこんなことがありました。
着替え中の小学一年生が先生のところまでやってきて言います。
「ん、んん…」
彼が今着替えをしていて、ボタンがなかなかとめられないのは見ればわかります。
先生にしてほしいと思っていることもわかります。
そして、この子の家ではこのように「ん、んん…」と訴えれば、誰かが助けてくれたのだ、そういう育てられ方をしてきた子だとも察しがつきます。
あなたが、この子のクラス担任であればどうするでしょうか。
私はこうしてきました。
「○○くん、どうしたの?言ってごらん」
すると、その子は言います。
「先生、ボタン…」
「○○くん、ボタンができないから先生にしてほしいんだね。
それじゃあ、こう言いなさい。
先生、ボタンができないので、してください、って」
そう聞くと、その子は私を見て言います。
「先生、ボタンができないので、してください」
「○○くん、よく言えたね。でも、それは自分でできなきゃいけないことだから、自分でしなさい」
すると、その子は、また泣きそうな顔で一生懸命、ボタンをとめようとがんばります。
そして、ほとんどの場合、時間がかかっても自分できるようになるのです。
一人できたとき、〇〇ちゃんは、本当にうれしそうでした。
それは、先生が安易に手を出すよりも数倍よいことだと私は考えています。
子どもにとって、小さいけれど、目に見え、実感できる確かな成長なのですから。
子どもの成長のために
子どもにとって、一般に困難な状況というのは、逆に成長のためにはチャンスとなります。
困ったり、失敗したりする方が、実は子どもにとっては勉強になります。
時間がかかっても、下手でもいいから、子どもにさせた方が得るものがあるのです。
たかがボタン1つの話ですが、その子の将来がかかっています。
たとえ小さなことでも、自分で困難を克服できたという体験と喜びは、その子が今後、自分の人生を切り拓いていくときに生きてきます。
繰り返します。
教育というのものは、小さなことの連続です。
小さなことが大事なのです。
★今日のプラスアップ1★
教育の営みは「小事は大事」 (^.^)