誰でも仕事や人間関係がうまくいかなると、辛くなったり、イライラしたり、怒りがこみあげてくるものですね。
イライラや怒りは、人間関係を悪くし、心身の健康を害し、仕事や人生にも悪影響を与えるマイナスの感情や行為です。
このマイナス感情を抑えコントロールする習慣をご紹介するのが、本記事の目的です。
今日、あなたが穏やかな気持ちで過ごすことができることを願ってお届けします。
あなたも怒りの害を抑えられる
怒りは、誰にでも生じる感情です。本能的な感情なので、湧き上がってくるのは避けられません。
何か理不尽なことが身にふりかかって、怒りが湧き上がってくるのは、人間として正常な反応なのです。
ただ、いくら腹が立つからと言って、怒りをストレートに表に出すと、様々な害があることも周知のとおりです。
人に怒鳴られて、気持ちよい人など、まずいません。
怒鳴った人と怒鳴られた人の関係は、悪くなります。
家族、同僚、友人などとの良い人間関係を壊してしまいます。
そのため怒っている人は、まわりの人から次第に敬遠され、孤独になっていきます。
また、怒りは職場や仕事上の人間関係も破壊して、仕事の成功を妨げます。
また激怒しているときには、最良の考え方や行動をとることはできないので、困難な状況をさらに悪化させてしまのです。
怒った人も、怒られた人も、自信をなくしたり、落ち込んだり、ウツ状態になることもあります。
怒りが暴力的な行動やドメスティックバイオレンスや犯罪の原因にもなっています。
このように怒りはその人やまわりの人に様々な害をもたらすのです。
でも、だいじょうぶ。
怒りはコントロールできるのです。
そのコントロールする方法を学び、少しずつ習得していけばいいのです。
それは、今日からあなたにもできます。
怒りをコントロールしようと決心する
怒りをコントロールしようと決心する。
まず、そこから始まります。
怒りという感情は、人の感情の中でも激しいものです。
瞬間的に湧きあがり、一気に増幅して、自分ではなかなかコントロールできなくなってしまいます。
暴言や暴力となり、大変なことになってしまいます。
では、怒りを我慢し、外に出さなければいいのかというとそうでもありません。
心の中で怒りが持続すると、心身の健康に悪影響を及ぼします。
心は怒りが鬱積すると、ストレスがたまり、ウツ状態になることがあります。
笑うことは、心身の健康に良いのですが、怒りは逆です。
怒ることによって体は強いストレスを受け続け、胃潰瘍や高血圧、心臓疾患、不眠、ガンなどの病気につながります。つまり、寿命を縮めることになるのです。
怒りのため大変な事態に陥った人や長く怒りが続いている人の中には、「自分は怒りがコントロールできない」「性格だから」などと、あきらめている人がいるではないでしょうか。
怒りは、決してコントロールできないものではありません。
また性格だからとあきらめるべきものでもありません。
また、自分の怒りの原因は「相手のせい」「相手が悪い」としか考えられない人もいます。確かに、怒りが生まれるのは、その出来事や相手に原因があります。
でも、怒りの感情を大きくし、持続してしまうのは自分にも原因があることを知らねばなりません。
考え方と行動を変えれば、怒りはコントロールできるのです。
前向き、肯定的、感謝の心になる習慣づけ
自分の心のなかにある怒りやイライラから解放され、穏やかな心でハッピーに過ごし、人を愛し、人に愛される日々を送りたいと考えている方は多いことでしょう。
私もそうです。この記事を読んでくださっているあなたもそうだと考えています。
では、どうすれば私たちは幸せになっていくことができるでしょうか。
私がいつも講演会でお話しすることがあります。
「人が幸せになる3つの心」です。
それは、私自身がモットーとしていることです。
・前向きな心
・肯定的な心
・感謝の心
です。
でも、いま怒っている人に、「このような心の状態になりましょう」と言っても、すぐには変えられるわけではありません。
でも、目指すのです。
そして、これまでのよくない習慣をやめて、新しい習慣に変えるのです。
習慣を変えると言っても、大げさなことではありません。
前向き、肯定的、感謝の心を表す言葉を発し、行動を少しだけ変えるのです。
すると、前向き、肯定的、感謝の心がだんだん自分の心のくせになってきます。
難しいことではありません。カンタンで今日からすぐにできることもあります。
ただし、一回で効果のあるものもありますが、習慣となるには、何度も同じようなことを繰り返す必要があります。
それをこの記事で紹介しますので、これはいいなと思うことをやってみてください。
きっと、心は変わっていきます。
怒りとは何か?怒りは問題発見センサー
怒りをコントロールするには、怒りが何であるかを知らねばなりません。
怒りは、人間の感情の一つで、必ずしも悪いものではありません。
怒りが生まれること自体は、人間として当たり前のことです。
「腹を立てる」「カッとなる」「頭に来る」「イライラする」とも表現されるように、誰にでも起こる感情です。
ところで、私たちに生まれる感情や感覚には、すべて意味があります。
たとえば、火や熱いものをさわったら、「熱い」と感じます。もしも熱いと感じなければ、しゅっちょう火傷をしてしまうことになります。
また、体の痛みにも意味があります。もしも、「痛い」と感じなければ、体の病気や異変に気づかず、治療や処置が手遅れになり、たいへんなことになってしまうでしょう。
このように人間の体はうまくできていて、感覚は私たちに危険を知らせ、より大きな危険から守ってくれているのです。
怒りという感情にも、やはり同じような役割があります。
怒りは、自分が「攻撃された」「被害にあった」「侮辱された」などと認識するときに起こる感情的な反応です。
たとえば、電車で足を踏まれたときに、体に「痛い」という感覚が生まれます。
同時に「被害にあった」と認識し、相手に対する怒りが生じるものです。
足の痛みとともに、心が痛みを感じているのですね。
このように、痛みや怒りがあるということは、いま自分に「何か問題がおこっている」ことを知らせてくれているのです。
その問題(攻撃)を知らせ、大きな問題から守ろうとしているのです。
怒りは自分次第でおさまる
怒りは、問題や危険を私たちに伝えてくれますが、ただ怒りがずっと続くのはよくないことです。
それは風邪による体の痛みがずっと続くのがよくないのと同様です。
体に痛みが続くのは、体への異変が依然として続いているということです。
風邪が長引けば、万病の元。怒りが続くのは、心への異変が続いているということで、心の病気になってしまいます。
先ほどの電車で足を踏まれたケースに戻ります。
踏まれた足の痛みを取り除くには、自分の足を引っ込めるか、相手の足をどけてもらうかすれば、体の痛みは解決しますね。
でも、怒り(心の痛み)を除くには、それだけでは解決しない場合があります。
たとえば、被害にあった人がこのように考えている場合です。
(自分は悪くないのに、満員電車で足を踏まれた。痛かった。靴が汚れた。相手はにらみつけてやったのに無視している。腹が立ってしょうがない。)
足の痛みは引いているのですが、怒りは治まるどころか増幅されているのです。
そうならないための1つの解決策は、相手の状況を理解しようと努めることです。
(お詫びがなかったということは、この人はまったく気づいていなかったんだろうな。朝からさえない表情だけど、仕事でだいぶ疲れているみたい。家庭でも何か問題があって気に病んでいるのかも……)
たとえばこんなふうに相手の立場を考えられると、怒りはだんだん治まってきます。
(そういえば、私も疲れているときに気づかずに人の足を踏んだり、人を傷つけるようなことを言ったりしたことがあったな。)
さらに自分のことを振り返ることができれば、大切な気づきを得ることもあります。