私たちには一日に24時間が与られています。
その時間を活用するにはどうすればいいのでしょうか。
仕事や勉強、家庭生活やプライベートにおいても、与えられた時間をうまく使うにはどうすればよいのでしょうか。
究極的には、人生という時間をどうすれば活用できるのでしょうか。
それは「目的の達成」ということに関係があります。
ご存じイソップ童話の「うさぎとかめ」の話からご説明しましょう。
「うさぎとかめ」の話から
ある日、うさぎとかめが競走をしようということになりました。走ってみると、うさぎはかめがあまりにも遅いので油断し、途中で居眠りをしてしまいます。
ところが、かめはひたすら走り続け、うさぎより先にゴールインしてレースに勝つのです。
この話の中で、かめはうさぎよりも時間をうまく活用できたと言うことができるでしょう。うさぎもかめも同じ距離を走りましたが、相手よりも先にゴ-ルするという目的を達成できたのは、かめの方だったからです。
うさぎの方は、レースに負け、面目丸つぶれとなってしまいました。うさぎにとって、走った時間も居眠りをしていた時間も目的のためには役立ちませでした。それどころか、悔いの残る無駄な時間の使い方をしてしまったのです。
時間は、目的が達成されたとき活用されたということができます。
また、目的が達成されつつあるとき、目的に向かって進んでいるときにこそ、時間は活用されているのだと言えるのです。
例えば、試験に受かりたいという目的を持つ人がいるとします。
その人にとって、その目的のために勉強することは、時間を活用することになります。しかし、もしその勉強時間にテレビを見たり居眠りをしたりすれば、いくら楽しく気持が良くとも、目的達成のたには時間を無駄にしていることになります。
試験に合格したいということ以外にも、人はそれぞれ目的を持って生活しています。
その目的をはっきり意識して、そのために時間を使うということは、時間の活用の大事な条件となるのです。
人生の目的のために・・・
ところで、人生の誰にも共通する目的は何でしょうか。
その答えを探し求めている人は、大勢いることでしょう。確信が得られずに、自分がまるで暗闇の中で光を求めさまよっている旅人のように感じることもあるでしょう。
自分の進むべき道が見えず、人生は苦しみの連続だと思い込むときもあるでしょう。希望を失い、自殺する人も出てきます。
また、人生の目的を、金もうけ、社会的地位の向上、名誉の獲得、あるいは快楽の追求などと考えている人もいます。
「楽しければいいじゃないか」とその時の気分や時代の流れに身を任せ、自己の信念を持たないかのような人も少なくはありません。
しかし、そのような人々は、精力的にあるいは流動的に動いてはいますが、いつまでたっても満たされない思いを繰り返すだけです。それは、まるで砂で家を造ろうとする行為に似ています。
刹那的で、はかなく、いつかは壊れ、なくなってしまう物を求めているからです。しかも人間の欲望は限りがなく、欲望を満たそうとしても、常に満足することなどあり得ないのです。
人生の目的を知り、その目的に合った生き方ができれば、私たちに与えられた時間は活用されるのです。