うつ病を克服するには、元気がでる良書の「読書」が効きます。
ご自身も読書によってうつ病から立ち直った経験を持つ「日本読書療法学会」会長の寺田真理子さんのお考えなどをご紹介します。
日本読書療法学会
読書によって生きる力が湧きあがり、元気になった人は、多いと思います。
日本読書療法学会会長の寺田真理子さんも、その一人です。
寺田さんは、私が以前勤めていた長崎の精道学園の卒業生です。
死にたいと思ったほどの「うつ病」を読書を通して克服した経験から、読書の良さを広く多くの人に伝えるために、2011年から「日本読書療法学会」を立ち上げて、活躍中です。
以下は、日本読書療法学会HPからのご挨拶(引用転載)です。
日本読書療法学会は、日本において読書療法を普及させるとともに、海外における最新情勢を研究していくために設立いたしました。
私はうつ病に苦しんだ経験がありますが、心理学や自己啓発、仏教から小説、エッセイ、写真集や漫画にいたるまで、あらゆる種類の本を読むことで回復することができました。
後に「読書療法」の存在を知り、これこそまさに自分がしてきたことだと思いました。
読書療法のことをもっと知りたいと精神科医の方々にお尋ねしてみましたが、先生方もなじみがなく、療法の存在すらも御存知ないような状況でした。
残念ながら、読書療法は日本では十分に認知され、注目されているとは言えません。
しかしながら、読書療法には日本で精神の不調に苦しむ多くの方々を救う大きな可能性があると信じております。
私自身のうつ病の経験と読書療法の適用についてまとめた本
(『うつの世界にさよならする100冊の本~本を読んでココロをちょっとラクにしよう』)
を出版し、この体験を講演などでお伝えしてまいりましたが、精神的な問題、特にうつ病に苦しまれた多くの方々が同様の方法で
回復されたことに気づきました。
この経験から、現在苦しんでおられる方々に救いの手を差し伸べられるよう日本読書療法学会の活動を通して読書療法の認知度を向上させるとともに、読書療法をよりよく適用していくために
海外での最新情勢を研究してまいりたいと考えております。
日本読書療法学会 会長 寺田真理子
『うつの世界にさよならする100冊の本~本を読んでココロをちょっとラクにしよう』は、私も読みました。
死にたいほど苦しんだ「うつ病」の症状が赤裸々に書かれ、回復して元気になるためにどんな本が有効だったかが紹介されている良書です。
吉田松陰による日本での読書療法の始まり
日本での読書療法は、吉田松陰によって始まったそうです。
吉田松陰は、獄中でも時間を無駄にしませんでした。
自ら積極的に勉学に励むだけでなく、囚人たちを誘って、読書や勉強をさせ、教え導きました。
彼らの人間としての価値や生きがいに目覚めさせたのです。
その精神は、私塾「松下村塾」で、後の倒幕、明治維新で重要な働きをする多くの若者(高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋など)を育てることにつながっていくのです。
読書で人間性は高まり元気になれる
私たちも経験上、知っているはずです。
良い本を読めば、心に栄養、頭に知識が蓄えられます。
目が開かれ、世界が広がります。
生きていく指針も生まれます。
生きるエネルギーや喜びが湧きあがってきます。
読書は、素晴らしい人間形成の手段なのです。
と言っても、うつ病のときに、文字がギッシリ詰まった本を読む気にはなれないかもしれません。
であれば、漫画でもいいし、絵本でもいい、絵が多く文字の少ない本でもいいのです。
最初から最後まで全部読む必要も義務もありません。
1冊の中に1つのハッとする言葉、心に響く一文に出合えたらラッキーです。
本を手にとって、パラパラとめくるところから始めてみませんか。
きっと良い言葉、良い一文に出合えるでしょう。
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【出典】
日本読書療法学会 最新パンフレットがダウンロードできますよ。