映画『ライフ・イズ・ビューティフル』、ご存じですか?
どんなに辛い状況でも、ゲームのように人生を楽しむ親子の物語です。
カンヌ映画祭で審査員グランプリを受賞した感動の名作です。
アカデミー賞では、イタリア映画でありながら、作品賞を含む主要7部門にノミネートされ、見事3部門で受賞!
ネタばれになりますが、ストーリーを少しだけご紹介します。
ストーリーを知らずに観たい人は、映画をどうぞ先に。
でも、ストーリーを知っていても、また観たくなる名画です。(私は3回観ました)
幸福な家庭が戦争に巻き込まれる
1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、北イタリアの小さな町にやって来ました。
そこで彼は小学校教師のドーラに恋をします。
彼の純粋さとロマンチックな人柄は、彼女の心をとらえ、困難の末、ふたりはめでたく結ばれます。
そして、息子が誕生し、親子3人の幸福な家庭を築くのでした。
しかし、戦争の色が濃くなり、幸せだった家族は、ナチス・ドイツの強制収容所行きという過酷な運命に陥ります。
これが映画の前半。
この後がこの映画の醍醐味です。
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人生は楽しいゲーム
絶望と死の恐怖に支配された収容所の中で、グイドは家族を守るため、ある嘘を思いつきます。
幼い息子へ語りかけた言葉です。
「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら、減点。いい子にしていれば点数をもらえて、千点たまったら勝ち」
「軍服を着た悪者に見つからないようにかくれんぼをするんだ」
「勝ったら本物の戦車に乗っておうちへ帰れるんだ」
そうして、明日をも知れない極限状態でも、グイドは決して生きることをあきらめず、息子の前では明るくふるまいます。
ガス室にユダヤ人の子供たちが送られていく中で、息子を自分のベッドに隠し通したり、命がけで放送室に侵入しマイクで女子収容に送られた妻に愛を伝えたり、その豊かな想像力と勇気ある行動で明るく懸命に家族を守り抜くのです。
幼い息子は最後までお父さんを信じて、辛い収容所の中でも、人生というゲームを楽しみます。
そのラストはどうなるのか、ここには書きませんが、感涙必至の名シーンです。
主人公のグイドは常に陽気でいい加減なように見えることがあります。
しかし、妻や息子のことを一番に考えて、どんな苦境に立たされても、家族の前では不安を見せずに明るい笑顔でいる優しさをもつ男でした。
どんなに辛い状況でも、愛と勇気のこもった嘘を最後まで貫き通したのです。
人生はゲーム。悲しんでいれば、減点。
喜んでいれば、点数をもらえて、最後にすごいご褒美が待っている。
そして、結果的に、お父さんは妻や息子を救うのです。
人生は美しく楽しいゲーム
どんな辛い状況でも、生きるのをあきらめてはいけない。
愛と勇気を失わなければ、人生はより良いものになる。
人生はゲーム。愚痴や文句ばかりなら、減点。
愛のある言葉、笑顔を人にあげられたら、点数がもらえて、楽しいことがいっぱい。
人生は、自分次第で楽しめるし、人を楽しませてあげることもできる美しく楽しいゲームとなるうる。
観終わった後、そんな前向きな気持ちになれる映画です。
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【出典】映画『ライフ・イズ・ビューティフル』(ロベルト・ベニーニ監督・主演 1997年)
人生は楽しいゲーム(一人息子と死別したNさんの話)このお話は、ずいぶん前に読んだ、鈴木秀子著『生の幸い、命の煌き』から要約して抜粋した実話です。
心の悲しみがなかなか癒えない方。
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