紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは自分の心に優しい気持ちを見出すことでしょう。
『聖書』使徒言行録の言葉
受けるよりも与える方が幸いである。
人はどんなときに幸福を感じるのでしょうか。
多くの場合、何か望んでいたものを受けたとき、与えられたときかもしれません。
思いがけずに素敵なプレゼントをもらったとき、人から感謝されたとき、親切にされたときなど、やはりうれしいものです。
でも、「受けるよりも与える方が幸いである」と『聖書』には書かれています。
人に何かをしてあげたらとても喜ばれて、自分もうれしくなった経験があるでしょう。
人は互いに与え合うことによって幸福になれます。
たとえば、忙しいと感じているときでも、自分の時間を少しだけでも家族のために使い家族を喜ばせること。
自分の好みを少しばかり押さえ、家族が喜ぶ何か小さいことをしてあげること。
自分の話ばかりせずに、話を聴いてほしがっている人の声に耳をかたむけること、など。
このように私たちが自分自身を与えることによって、私たちのまわりに幸福は生まれます。
【出典】『聖書』使徒言行録21-35
ナイチンゲールの言葉
2時間おきの解熱剤よりも、
ナースのおとずれがどれほど患者にとって有益であることだろう。
フローレンス・ナイチンゲール 1820~1910
イギリスの看護師 近代看護教育の生みの親
病気になって、生まれて初めて点滴を受けることになりました。
担当は、若い女性の看護士さんでした。
「はい、では針を刺します。ちょっとチクッとしますよ」
言われるほど、針の痛みはありません。
「ああ、だいじょうぶ、ですね」
マスクの向こうに彼女の表情は隠れていたのですが、そのまなざしと言葉の響きにこぼれそうな笑みがありました。
そうして終わるまで何度も足を運び、「だいじょうぶ、順調ですね」「寒くないですか?」「ああ、もう終わりそうですね」などと短く温かな声をかけてくれました。
私は体に少しずつ力が蓄えられていくような幸福感を味わったものです。
薬も医療技術も大切です。でも、それを施す人の愛情はもっと有益です。
足を運んで温かく声をかけてくれること、優しいまなざしを注いでくれること。
だたそれだけのことでも、心細い人には大きな幸福をもたらすものなのだと、自分が看護される側になって気づきました。
孔子の言葉
己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ
(自分のしてほしくないことは、他の人にもしてはいけない)
孔子 紀元前55一~紀元前479
中国の思想家 儒家の始祖
孔子は、弟子のひとりから、「一つの言葉に表わせるもので、生涯ずっと行うべきことはありますか」と聞かれて、それは「恕(思いやり)」だと答えました。
その「恕(思いやり)」を分かりやすく説明したのが、冒頭の言葉です。
自分がしてほしくないこと。
たとえば、いじわるをしないでほしい、悪口をいわないでほしい、仲間はずれにしないでほしい、などは誰もが思うことです。
自分がしてほしくないことを人にもしないことは、相手を思いやることなのです。
逆に、自分がしてほしいこと。
たとえば、困っていたら助けてほしい、親切にしてほしい、仲間に入れてほしい、なども誰もが思うことでしょう。
自分がしてほしいことを人にしてあげることも、さらに相手に思いやりを示すことなのです。
家族やまわりの人の気持ちを考えて行動していけば、きっと良い人間関係が築けます。
【出典】『論語』