紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは大切なことに気づき、生きる勇気が湧いてくるでしょう。
柳生家の家訓
小才は、縁に出会って縁に気づかず
中才は、縁に気づいて縁を生かさず
大才は、袖すり合うも、この縁を生かす
柳生家
徳川幕府で剣術師範を勤めた大名
たまたま同じ時代に生まれ、
たまたま同じ場所で、
たまたま同じ時を過ごしている。
世界にいま73億の人がいて、
そういうふうに出会える人は、限られています。
あなたとその人が出会ったのは、
もしかすると、「たまたま」ではないのかもしれません。
あなたとその人の心がふれあったのなら、
たぶん、「たまたま」ではないのでしょう。
そして二人がこれからも同じ時を過ごしたいのなら、
きっと、「たまたま」ではないのです。
【出典】柳生家の家訓
羽生善治の言葉
勝負の世界では「これでよし」とする消極的姿勢になるのが一番怖い。
常に前進をめざさぬかぎり、そこでストップし、ついには後退が始まるからである。
羽生善治 1970~
棋士
将棋の世界で、超一流のプロ棋士として活躍しつづける羽生善治さんの言葉です。
常に勝利と向上をめざす人には、「これでよし」という言葉は、禁句なのでしょうね。
「これでよし」と思ったら、安心します。
そのときはそれでいいのです。
でも、さらに前に進もうと思えばできるのです。
上を目指そうと思えば上にいくことはできるのです。
仕事においてもスポーツ・学習においても同じです。
「まだもう少しできる」
「まだもう少しやれる」
と、さらに前進と向上をめざしたいものです。
【出典】羽生善治・米長邦雄著『人生、惚れてこそ』(クレスト社)
『戦国策』の言葉
百里を行く者は九十里を半ばとする。
兼好法師の書いた遺筆集『徒然草』に「高名の木登り」という有名な話があります。
木登りとして名高い人が、ある男に指示して高い木に登らせて枝を切らせたときの話です。
木登りの名人は、男が危なく見えるときに何も言いませんでした。しかし、木から降りる途中、軒の高さくらいになったときに、「注意しなさい」と声をかけたのです。
「これくらいなら飛び降りることもできるのに」と不思議がったその男に名人は、重ねて言いました。
「高く枝が折れそうな間は、誰でも十分に注意する。しかし、過ちは、もう安心だと油断しているところに生まれてくるものだ」
つまり、何かを行うときも、たとえほとんど最後までできていても、終わるまで気をぬいてはならないこと。最後まで油断せずに行うことが大切なのです。
【出典】『戦国策』(中国の戦国時代の古書)