紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは大切なことに気づき、生きる勇気が湧いてくるでしょう。
洪自誠の言葉
順境にいるとき、逆境に備えよ。
洪自誠 生没年不明
中国、明時代末期の思想家
「順境」とは、何もかもうまくいっているときのこと。
「逆境」とは、その反対にうまくいかないときのことです。
人生には「順境」のときばかりでなく、「逆境」のときもあります。
うまくいっているときは、有頂天になってしまったり、天狗になってしまったりしがちです。
そういう状態が長く続くことはなく、病気になったり、災難がふりかったり、誰かからひどい扱いを受けたり、いずれ「逆境」の波はやってくるのです。
そんなことが急に起こっても挫けないように、順調のときから準備しておくのです。
「備えあれば憂いなし」ですね。
【出典】洪自誠著『菜根譚』(岩波書店)
小澤征爾の言葉
技術の上手下手ではない。
その心が人をうつのだ。
小澤征爾 1935~
指揮者
小澤征爾さんは、中学生のときにラグビーで、指をケガしてピアニストの夢をあきらめました。
しかし、大好きな音楽への道を捨てることなく、世界の一流指揮者となりました。
そうなるまでの修行のなかで、学んだ大切なことがあります。
それは、演奏のうまいへたよりも、演奏する人の心のありようが、人を感動させるのだということ。
技術も大切ですが、それ以上に人の心が大切だと。
それは、音楽に限りません。
人を感動させるものには、きっと誰かの熱い心がこもっているのです。
【出典】小澤征爾著『ボクの音楽武者修行』(新潮社)
浅田次郎の言葉
みんなから馬鹿扱いされても、
だからといって
自分の信念をあきらめてはいけない。
浅田次郎 1951~
小説家 代表作品『鉄道員』
浅田さんは、小学生の頃から小説家を目指していた人です。
高校生の時、同じく小説家を目指す心から尊敬する先輩に「お前は才能がない。小説家にはなれないよ」と言われます。
それでも、その先輩の教えの通り、原稿用紙に三島由紀夫の小説などを書き写す修行をしていきます。
大学には行かず、職を転々としてながらも、その修行を続けました。
1日6時間机に向かうという目標をかかげ、実質3時間以上、毎日机の上の原稿用紙に向かったそうです。
その一方で、書いた小説を様々な文学賞に応募しますが、ことごとく落選します。
その間に書いて、煙と消えた原稿用紙は何万枚にもなるそうです。
そういう生活を10年間以上続けました。
自分の作品が初めて活字になったのは、なんと35歳のとき。
はじめの単行本が出版されたのが、40歳のとき。
小説家を志してから、なんと30年もかかったのです。
夢を叶えるために、時間はかかります。
でも、あきらめなければ、一歩一歩、実現に近づいていけます。