祈りとは、何でしょうか。
祈りとは、神様との対話です。
誰かと話しあったり、付き合ったりすることで、その人と親しくなれるように、祈りによって神様と親しくなれます。
友だちのようになれます。(尊敬できる先生の生徒・弟子のようにもなれます。敬愛する父親の子どもようにもなれます。)
そんな考え方をご紹介します。
神様の助けを待って・・・
こんな話があります。
町が洪水に襲われてある人の家が水浸しになりました。
家のまわり泥水のような川が流れています。
その人は、屋根の上に出て助けを待ちました。
すると、1本の丸太につかまって彼の家まで流れついた男が言いました。
「おーい、いつまでもそこにいると流されてしまうぞ。この丸太につかまって向こう岸までいかないかー」
彼は答えました。
「いや、私は心配ない。神様がきっと助けてくれる」
丸太につかまっていた人は、それを聞くと彼の前を通り過ぎてしまいました。
さて、しばらくすると、彼のいるところへ一隻の救命ボートが流れついてきました。
ボートには数人の人が乗っています。
「おーい、あと一人は乗れるぞ」
ボートの乗員がそう言ってくれましたが、彼は答えました。
「いや、私は心配ない。神様がきっと助けてくれる」
ボートは、彼の前を通り過ぎてしまいました。
しばらくすると、ヘリコプターがやってきました。
「すぐに乗ってください。燃料があとわずかですから」
彼は答えました。
「いや、私は心配ない。神様がきっと助けてくれる」
ヘリコプターは、空高く舞い上がりどこかに行ってしまいました。
神様に文句を言うと・・・
それからしばらくすると、大きな波のうねりがやってきて、彼のいた屋根の上を激流となって通り過ぎていきました。
彼は屋根から引き離され、そのまま流れのなかに飲み込まれてしまったのです。
それが彼の最期でした。
死んでしまった彼は、あの世で神様に文句を言いました。
「私はあなたを信頼していました。きっと助けてくださると信じていました。だのにどうして、私を見捨てたのですか?」
神様は答えました。
「子よ。お前が私を信頼していたのは知っている。だから、私は三度も助けの手を差し伸べたのだ。一度目は、丸太。二度目はボート。そして、最後にヘリコプターを送ったのだよ」
神様は純粋な霊ですから、姿形はありません。
ですから、直接、神様が私たちの前に現れるということはありません。
私たちの祈り対する神様の応えは、ほとんどの場合、他の人や物、出来事を通してやってくるのです。