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「こうのとりのゆりかご in 関西」SOSにんしん電話相談の現場で思う

「認定NPO法人 こうのとりのゆりかご in 関西」の事務局で、2022年9月~2023年1月末までの5か月間働かせていただきました。

こうのとりのゆりかご in 関西 は、お腹の赤ちゃんはかけがえのない尊い生命、大切な社会の一員と考え、熊本県慈恵病院が取り組む「 こうのとりのゆりかご 」設立の趣旨に賛同して、(以上、HPから転載)

2016年に創られました。

法人の事務仕事は初めてで慣れないし、事務員の人手不足のために大変でした。

でも、やりがいはあるし、働いていると感動することもありました。

ご紹介したいと思ったのは、「こうのとりにんしんSOS」(電話相談)についてです。

当法人の事業の1つとして、「妊娠、出産に悩む妊婦とその家族のための相談事業」というものがあるのです。

にんしんSOS(無料電話相談)

電話相談員の経歴や年齢は様々です。

私よりも年齢が高い方もいらっしゃるので、本来は敬語を使いたいところですが、法人内の身内だった者として紹介します。

皆、十数時間以上の研修をしっかりと受けてきた人々です。

全員がボランティア。皆さん、悩める妊婦さんのために、赤ちゃんのいのちを守るために、無償で働いているのです。

事務所は、兵庫県神戸市元町と大阪府高槻市に2つあるのですが、遠方から電車と徒歩で来る人が多いです。

なかには、片道1、2時間ほどかけて来る人もいます。

他の仕事や家族の介護などの合間を縫って来る人もいます。

身体がご不自由で杖をつきながら来る高齢の人もいます。

そうして、悩みを抱えても家族にも身近な誰にも相談できない人のために、少しでも役に立とうと、かかってくるかわからない電話を何時間も待っているのです。

そういう人たちの姿を、事務仕事をしながら傍で見ていて、感じ入るものがありました。

その思いを、勤め始めて10日目に文章化したものを記しておきます。

今もやはり同じように感じています。

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電話相談の現場で

9月1日から実質10日間、新米事務局長が、電話相談の現場の傍らに居て思ったことです。

・・・・・・・・・・

遠くから足を運ぶ。

電話を準備する。
待つ。
じっと待つ。

おしゃべりをしながら待つ。
作業をしながら待つ。
食事をしながら待つ。
一人でも待つ。
ずっと待つ。

電話を取る。
話を聴く。
受けとめる。
心に寄り添う。

言いたいことを抑える。
それでも命の大切さを伝える。

電話を切った後、
これでよかったのかと
自省することもある。

報告をする。

また遠くまで帰路に就く。

電話があろうとなかろうと
感謝の言葉があろうとなかろうと

そんな行いの1つ1つが尊いと
感じてきました。

 

1つ1つの行いに込められたもの

蛇足かもしれませんが、少し補足しておきます。

おおげさであってはいけないのですが、「そんな行いの1つ1つが尊い」と(ボーとしている私でさえ)感じるのは、1つ1つの行いに目には見えない尊いものが込められているからと思います。

それを言葉にすれば、「愛」と言えるような気がします。

私たちの行いも同様です。

小さな行いかもしれません。

目立つことはないかもしれません。

目に見える成果はないかもしれません。

誰からも評価されることはないかもしれません。

無駄だったのかと悲しくなるときがあるかもしれません。

もっとうまくできなかったのかと悔いるときがあるかもしれません。

しかし、その1つ1つの行いに他者のために自己を犠牲にするほどの愛が込められていたのなら、どれほど尊く、どれほど価値があるのでしょうか。

小さなことに愛をこめる(マザー・テレサ) 大切なことは、いくら与えたかではなく、 与えることにどれだけの愛を注いだかです。  マザー・テレサ(1910~97) カトリ...

思わぬ妊娠で悩んでいる方へ

最後に、もしもこの記事を読んでいる人のなかに、思わぬ妊娠で悩んでいる方がいるのならばと思い、書いておきます。

お手元のスマホ(携帯)からつながる場所に

あなたの悩みを、SOSを温かな心で受けとめ、寄り添ってくれる人がいます。

お腹にいる赤ちゃんのために、

自分とこれからの人生のために

思い切って相談してみてはいかがでしょうか。

「こうのとりにんしんSOS」(無料電話相談)

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