2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は3月21日(日本時間22日)、米マイアミのローンデポ・パークで決勝が行われ、日本と米国が対戦。
前日のメキシコ戦に続き、日本が劇的な逆転勝利をし、3大会ぶり14年ぶりの優勝(世界一奪還)! 日本中が歓喜に湧きました。
この日、大谷翔平選手は投打で大活躍し、大会MVPに選ばれました。
それだけでなく、舞台裏で、彼は多くの人の心に響く名言を発しています。
私も感動した名言を、私自身も度々振り返りたいので、以下に3つ、まとめておきます。
「憧れるのをやめましょう」
決勝の試合前、日本チームはロッカールームで円陣を組み、大谷翔平選手が今大会初めて声出しを務めました。
その第一声は
「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」
でした。
その真意を続けて明かします。
「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。
憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。
今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」
そう言うと、決意を込めた表情で「さあ、行こう!」と鼓舞しました。
ロッカールーム全体に拍手が響き、試合前の最高のムードができたのです。
「もっと野球を大好きになってもらえるように」
優勝した後のインタビューでも名言を発しています。
「日本だけじゃなくて韓国や台湾も中国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかったです」
この発言について、ある韓国選手はこう言っています。
「そういう言葉を言ってくれたのはとてもすばらしかった。私たちもファンの方のために、もっといい結果を残さなければならないと思いました」
韓国メディアからも好感をもって受け取られているようです。
「母国の日本ではすでに“野球ヒーロー”となっているが、海を渡って韓国にまで“大谷シンドローム”を巻き起こしている」とのこと。
小学校2年生から野球選手を夢見たという大谷選手は、練習の虫で有名。2018年の右肘手術など、苦労の末に二刀流で成功したことや、高校当時から人生の計画を立てていたことも紹介。
野球への強いこだわり、質素な日常生活、礼儀正しさ、品行と人格、秀麗なルックスもファンを引き付ける魅力だのことです。
大谷翔平選手が、この大会を通して、アジア国家間のいざこざを超越した存在になってきたのは間違いないようです。
もっとすばらしい選手になれるように
3年後のWBC出場について尋ねられた時はこう語っています。
「出たいです。僕自身が一定のレベルに居続けるのが条件だし、もちろんそうなるように最善の努力を毎年したいと思います。
もっともっとすばらしい選手になれるように頑張っていきたいです」
彼はこの言葉通り、この夢を叶えるために誰よりも努力していくでしょう。
なお、試合後のハイライト番組にゲストとして登場した大谷選手に、「今日の試合前、君がチームに向けて『メジャーリーガーを恐れるな』と言ったスピーチはどういう意味があったんだ?」という問いがありました。
大谷選手はすぐさま、声出しに込めた想いを語りました。
「野球をやっていれば、誰もが聞いたことがある選手がベンチを含めて並んでいる。そうするとどうしてもリスペクトの形が受け身になってしまう。そこだけは負けないんだという気持ちで行きたいと思いました」
さらに「この勝利は日本にどういう意味をもたらすか」と問われて、5年もプレーしてきたアメリカへの敬意も口にしました。
「本当に僕ら日本人はアメリカの野球をリスペクトしています。彼らの野球っていうものを見本にしてこれまで頑張ってきた。今日はたまたま勝ちましたけど、もっと高みを目指していきたい」
これからの大谷選手は無論、3年後の侍ジャパンの活躍も楽しみです。
主な試合の流れ
最後に決勝戦の試合の流れをまとめておきます。
アメリカ合衆国が2回1死からターナーの本塁打で先制するが、日本も無死から村上の本塁打で同点としました。
さらに1死満塁からヌートバーの一ゴロで勝ち越しました。
その後、日本は、4回無死から岡本の本塁打で2点差としますが、アメリカ合衆国は8回1死からシュワーバーの本塁打で1点差とされます。
9回裏、日本は指名打者を解除して、投手大谷が登板。
最後は、アメリカの主将の最強打者、エンゼルスでの同僚でもあるトラウトとの夢の対決となりました。
ドラマでも漫画でもありえないような現実に、世界中の野球ファンが手に汗を握って見守る中、二人は全力の戦いを繰り広げます。
大谷は渾身の力で球速160㎞のストレートで追い込み、最後は43㎝曲がる魔球のようなスライダーで空振り三振に仕留め、ゲームセット!
日本が3対2で逆転勝利し、3大会ぶり14年ぶりの優勝(世界一奪還)を果たしました。