あなたは、いま何歳でしょうか?
20歳?若いですね。
30歳?若いですね。
40歳?50歳?まだまだ、若いですね。
60歳?若いですね。まだまだ、これからですね。
そんなことをいうと、変に思われるかもしれませんが、私は、「60台は、まだまだ、これから」と思っています。
人生100年としたら、60歳にはまだ40年も残りの人生があるのです。65歳でも35年、70歳は30年あります。
しかも、会社を定年退職された人なら、会社勤務もなくなり、これまでできなかったことを比較的自由に楽しめる、あるいは新たな夢にチャレンジできる時間が生まれるのです。
次の記事は、主に、好きなことをして楽しみたい、新しいことをやってみたいという人のために書きました。
好きなことをして楽しむ
好きなことならコツコツ努力することもつらくはない。
楽しみながら、いつの間にか何かをつかむこともできる。
やなせたかし(絵本作家 享年94歳)
やりたいことがあるのに、どうしてもできない。そんなことがありませんか。
自分の気持ちを押さえ込んでしまい、それが続くと、ストレスが溜まります。
何もしなれば、失敗することも傷つくことはないかもしれませんが、ずっとガマンしていては幸せにはなれないとストレスの溜まった心が教えてくれているのではないでしょうか。
時には我慢しないで、思い切ってやればいいのです。
定年後は、会社に行かなくてもいいのですから、その時間を好きなことに費やせます。
私の友人に魚釣りの好きな人がいます。
魚釣りとなると、早朝、どれあけ早くても起きます。
釣り場が炎天下でも、寒空でも、ずっと釣り竿をもって糸を垂れています。
辛くないのです。むしろ楽しいのですね。
他にもランニングがすごく好きな友人がいます。
その人は、朝早く起きたり、休みの日に、何キロ、何十キロ走ります。
辛くないのです。楽しいのです。
好きなことって、本人にとっては楽しいのです。
子どもにとっての遊びみたいです。
遊んでいるとき、子どもの目は輝き、活き活きと身体が動きます。
私が執筆業をするようになったのは、書くことが好きになったからです。
書くことって、基本的に面倒です。
学校で作文を書きなさいというと、必ず、嫌がる子が何人もいます。
大人になってもそうですね。
でも、慣れてくると楽しくなるのですね。私がそうです。
いくつになっても、活き活きと目を輝かせている人は、好きなことをやっている人です。
「好きこそものの上手なれ」のことわざ通り、やっているうちにだんだん上手になります。
夢をかなえた人は、好きなことをやってきた人です。
漫画家の水木しげるさんも「好きなことだけ一所懸命にやりない」と言っています。
水木しげるは、学校の勉強などは苦手でしたが、絵を描くことだけは、子ども頃から、上手で好きだったのです。
好きなことをやり続けたおかげで、水木さんも多くの人も幸せになったんです。
わたしたちも自由です。やりたいことをやっていいんです。
自分の気持ちに素直になりましょう。
やらないで後悔するより、やって反省すればいい。そのほうが人生は楽しいのです。
新しいことを始めると若返る
創(はじ)めることさえ 忘れなければ人は、いつまでも若さを保てます。
日野原重明(医師 享年104歳)
年齢に関係なく、「もう、○○歳だから」「もう、ダメだ」と言っていると、気持ちも行動も消極的になってしまいますね。
そうではなく、「まだ、○○歳だから」「まだ、まだできる!」と言っていると、気持ちも行動も積極的になっていきます。
そういう人は、何か新しいことを始められます。
何歳であっても、若々しく活き活きしています。
始めることは、趣味でもいいし、仕事でも、ボランティア活動でも何でも良いのではないでしょうか。
新しいことにチャレンジすると、ワクワクドキドキします。
ワクワクは、期待。ドキドキは、不安。その先に待っているものは何でしょう?
新しい気づき?新しい自分?新しい友人、楽しい日々?
きっと新しい何かに出会えます。
私は45歳の時、執筆活動を志して、23年間勤めた教師を辞めました。
文章を書くことが好きになり、書くことで人に喜んでもらおという夢があったからです。
長崎という地方在住の無名の教師だったので、これから先、本をどれほど書いて出版できるか、自分でもわからなったのですが、残りの人生をかけてみようと思ったのです。
それからは、いつも新しいことへの挑戦でした。
発行されるかどうかわからない新しい原稿を書くこと、学校では苦手だったパソコンを使って自分でHPを立ち上げること、メルマガを発行すること、ブログを開設すること、講演をするなど。
自分に難しくても新しいことにチャレンジしなければ、前に進めませんでした。
結果、60歳までの15年間に約60冊の本を発行できたのは、多くの読者や出版社のおかげです。
しかし、新型コロナが流行り出した頃から、出版も講演の機会がなくなってきました。
原因は、新型コロナのせいでなく、自分の実力不足と情熱不足とそれに伴うマンネリ化のためと気づきました。
そこで、生活費も不足してきたので、これまで経験したことのない仕事(アルバイト)をしてみようと思い、いろいろとやってみました。
幼児教室の講師、学習塾講師、マンション管理人、児童発達支援・放課後等デイサービスの指導員など。
これらはすごく良い経験になりました。特に、児童発達支援・放課後等デイサービスでこれまで接してこなかった様々な発達障害の子どもたちの接することができたのは、貴重な体験でした。
これから絵本を創っていこうと考えていた私にとって、絵本の力を知る上でも、子どもを知る上でもすごく勉強になりました。
コロナがほぼ収束するまでの3年間の貴重な経験で、また新しい本・絵本を書いていこうという活力も得ることができました。
働いたほうがメリットが多い
何をやるのかを考えることもなくリタイアすると、一気に老け込んでしまう。
和田秀樹(精神科医)
60歳台は、まだまだ若いです。
身体も動くし、知恵もあります。
60歳、70歳になっても働けるうちは働きたいものです。
そのメリットは、いくつもあります。
収入が入る
現役時代よりも少ないでしょうが、生活費の足しにはなり、有難いことです。
社会的な意義が味わえる
定年後は会社の人たちとの付き合いもなくなり、気は楽になることもあるでしょうが、 それは一時的なことで、家に引きこもっていると、次第に孤独感がでてくるものです。
でも、小さな仕事ながらでも働き初めれば、自分が社会の一員として役立っている生きがい感を味わえるでしょう。
健康に良い
身体を動かした方が健康にいいし、認知症の予防にもなります。
他にも、面白いデータがあるので、ご紹介しましょう。
リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」によれば、現役時代よりも小さな仕事ではあるが、やりがいを感じ、満足している人は増えるということがわかっています。
「年齢を追いながら仕事満足度の推移を見ていくと、(中略)50歳時点の35.9%まで低調に推移を続ける。壮年期の労働者のうち現在の仕事に満足しているといえる人は3人に1人しかいない。そして、50歳以降は一転して仕事に満足している人の割合は急上昇する。60歳の就業者の45.3%、70歳の就業者の59.6%が仕事に満足している。つまり、70歳の就業者の5人に3人が、いまの仕事に満足していると答えているのである。」((坂本貴志著『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救』 (講談社現代新書)より)
定年後の労働者は、かつて従事した責任ある仕事を失い低い給与で働いているでしょうに、定年後は、どうして仕事に満足する人が増えるのでしょうか。
その理由の1つは、現役時代の重責のある仕事から解放されて時間的にも物理的にも負担が減り、ストレスが減ったということがあると思います。
もう一つは、新しい職場環境でストレスの少ない良い人間関係をつくれることもあるかと思います。もし仕事でストレスがあれば、アルバイトなので、別の職場に移ることもできるのですから。
私は、2023年12月まで、ある児童福祉施設で、週に2、3回、20歳から70歳代のスタッフたちと一緒に、障害をもった2歳から小学生までの子どもたちと遊んだり勉強を見たりして関わっています。それは、結構、難しいこともあるけれど、楽しい仕事です。
子どもたちを車で、学校や自宅まで送迎することがあるので、学校の先生、家族(主に母親)とも短いながら会話を交わすことがあります。いつも感謝されます。
2024年2月現在は、市の子育て支援施設で、0歳児から5歳児のお世話をしています。これも、新鮮な経験で、とても勉強になっています。